「新卒研修は何をするの?研修中の評価は重要?」RMK/SUQQUの元採用責任者にぶっちゃけ聞いてみた

美容部員の新卒研修は何をするの?研修中の評価は重要?RMK、SUQQUの元採用責任者のぶっちゃけ連載企画vol.3

RMK,SUQQUの採用責任者をしていたビューティーツリーの石塚が、美容部員の新卒採用の裏側をぶっちゃける連載企画。

今回のテーマはこちら。

「美容部員の新卒入社後研修では何をするの?研修期間中の評価は重要?」

エキップでの人事経験をもとに、新卒入社後の研修の内容や評価の重要性について、ぶっちゃけてもらいました。

エキップの新卒研修は約3週間

--石塚さんが在籍していたエキップさんでは、新卒研修はどれくらいの期間、どんなことをやっていたか教えてもらえますか?

 

石塚:エキップでは、RMKとSUQQUの両ブランド合わせて100名を超える新卒が入社します。そのため、共通できるものは共通で実施して、途中からブランド別に分かれて研修をします。研修期間は約3週間。場所は和歌山県にあるカネボウの宿泊可能な研修センターで、全国から新大阪に集まって、そこから全員バスで移動して完全に缶詰状態で研修を行っていました。

研修内容は毎年変わりますが、私が在籍していたころは、研修センターで入社式を行い、翌日から接客マナー研修を2~3日、人事制度や労務系の研修を1日行い、その後ブランド別に分かれて、皮膚理論、スキンケア、メイクアップ、商品知識、セールストークなどの研修を2週間ほど行います。研修期間中はほぼ毎日、テストがあります。そして、研修期間中の受講態度などもすべて記録に残していました。

 

研修中の評価は配属店舗へ申し送りされる?

--なるほど。3週間の研修期間中、ほぼ毎日テストは結構大変ですね。受講態度なども記録に残すということは、テストの結果も含めて、研修中の評価をその後の配属先の店舗へ伝えたりするのでしょうか。

 

石塚:はい、その通りです。テストなどの点数評価と受講態度などの評価で、研修中の評価が決定します。また、研修の最後には成績優秀者を個人とチームごとに発表します。研修中の評価が上位のスタッフが配属後も活躍するというのはよくあるケースですが、研修中の評価が良くないスタッフが配属後も活躍するという光景はあまり見たことがありません。つまり、3週間程度の研修で必死で努力できない人は、配属後に成果を出し続けることは難しいということです。

また、研修中の各個人の評価は、教育チームから配属先店舗のチーフ(=店長)へ伝えられます。あまりに評価が悪いと、お客様へ迷惑をかけるリスクが高いと判断されて、売上インパクトの大きい人気店舗への配属は見送られることもあります。だから、もし梅田阪急や新宿伊勢丹などお客様の数が多い人気店舗を希望する場合は、研修でしっかりと成果を出すことが大事です。

 

大型の人気店舗に求められるものは?

--大型の人気店舗を希望する学生も多いと思いますが、人気店舗で働くスタッフに求められるものは何だと思いますか?

 

石塚:人気店舗はとにかく忙しいです。そのため、超多忙な環境でも乗り切れるタフさが不可欠です。また先輩たちは忙しくて新人に手取り足取り教えることはできません。だから、自分から学ぼうとする主体性がないと厳しいでしょう。

 

--どの店舗で働いても、基本的に給与は一緒ですよね?そのような中、人気店舗で働くメリットやデメリットがあれば教えて頂けますか?

 

石塚:地域によって多少の大小はありますが、基本的に給与は同じです。しかし、エキップでは個人の売上に応じたインセンティブ制度を採用していました。当然、新宿伊勢丹などの人気店舗になると、全国でもトップクラスの売上を確保できるので、それに応じてインセンティブの金額も大きくなります。また、忙しい環境でかなりの接客数をこなすことで、販売やタッチアップなどの技術は確実に身に付きます。インセンティブと技術が身につく、この2つが大型の人気店舗で働くメリットではないでしょうか。

逆にデメリットは、とにかく忙しいのでハードワークなところと仕事が細分化されてしまうところでしょうか。大型の人気店舗には1つのカウンターに約30人ほどの美容部員が働いています。その規模の店舗を問題なく運営するには、スタッフ一人ひとりの役割分担を明確にしなければならず、かなり細分化されます。そのため、新人1年目はスポンジやブラシをひたすら洗ったり、カウンターを掃除するといった雑務メインとなる店舗もあります。入社当時の理想と現実のギャップに悩まされる方も多く、ここがデメリットになるかと思います。

 

--なるほど、つまり大型の人気店舗で働くことは必ずしもメリットばかりではないということですね。

 

石塚:はい。だから、研修期間中の評価を見て、精神的にタフな人は大型店舗に配属するケースが多く、少し手がかかるタイプの人は小型か中型の百貨店でスタートしてもらうようにしていました。研修期間中、真面目な態度で受講してしっかりと成果を出すことは大前提ですが、その後の長い美容部員人生を考えると、人事や教育トレーナーとしっかりコミュニケーションを取って、自分のペースで働くことができる店舗に配属してもらうことも大事なことかも知れません。

おわりに

--石塚さん、ありがとうございました。当然、企業によって研修の内容や期間は変わってきますが、研修中の評価が配属やその後の美容部員人生に影響を与えることは、どこも同じかもしれません。また、華やかな大型の人気店舗で働くことは誰もが憧れるかも知れませんが、物事にはメリットがあれば、デメリットも必ず存在します。

20年卒の就職活動を終えた皆さんは、これから内定式を終えて、2020年4月より美容部員生活がスタートします。自分に合った働き方とは何か、どのような環境がベストなのか。自分なりにじっくり考えて、人事や教育トレーナーに話してみるものいいかもしれません。

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この記事をかいた人

RMK、SUQQUを展開する株式会社エキップで10年にわたり美容部員の新卒採用・教育に関わる。これまで面接してきた美容部員の数は10000人を超え、美容部員採用のプロ中のプロ。大学、短大、専門学校での講演多数。2019年5月よりビューティーツリーの採用コンサルタント。