美容部員に転職してすぐ辞めてしまう人の共通点と失敗しない方法

美容部員に転職してもすぐ辞めてしまう人に共通点と対策

近年、化粧品業界の人材課題のひとつに、美容部員の早期離職問題があります。

美容部員の離職率は、

・国内大手ブランドで10%~20%程度
・外資ブランドでは15%~30%程度

あると言われています。

例えば、離職率が30%ならば、同期100名入社したら、1年後には33名が辞めているといった状態です。

「なぜ辞めるのか」、「すぐ辞めてしまう人に共通するのは何か」についてお話しします。これから美容部員を目指す人にとって、安心して長く続けられる会社を選ぶ参考にして頂ければと思います。

 

美容部員の3大離職理由

美容部員の3大離職理由

未経験で美容部員になった人が半年以内に辞める理由は主に3つあります。

・人間関係で悩み、職場に馴染むことができず辞めてしまう
・理想と実態のギャップに悩み、辞めてしまう
・未経験で知識、技術でついていけず辞めてしまう

立ち仕事で足腰が辛い、飽きてしまった…など、その他の理由で離職する人もいますが、ほとんど上記の3つです。

 

人間関係で悩んで辞めてしまう

離職理由のトップがこの人間関係です。女性同士が狭い化粧品カウンターで毎日仕事をすれば、合う合わないは必ず出てきます。

そのような特殊な環境で、かつ数字のプレッシャーが厳しかったり、見て覚えなさい的な厳しい教育体質のブランドだと、弱肉強食の職場になり、後から入社してきた未経験や新卒がターゲットになりやすく、辞めてしまいます。

人に気を使ってしまう、人間関係に気苦労する人は、ブランド選びがとても重要です。

 

理想と実態にギャップに悩む

これは専門学校生や、派遣で働く人に多い悩みです。憧れのブランドに入社できる!みたいなキャッチに惹かれて入社してみたら、かなりハードな職場だったということはよくあります。

人気ブランドは、それだけ人材が集まるので、給料が多少安くても働きたいという人も多く、社内の競争は激しく、仕事はハードなことが多いです。

 

未経験で知識・技術的についていけない

美容部員になるのに資格は必要ありませんが、専門的な知識やスキルは必要です。

人の顔に直接触るのは、『医者』と『美容部員』だと言われています。それほど専門性の高い仕事であるにも関わらず、たった数日間の研修で現場に出ると、ついていけないと感じて辞めてしまう人がいます。

 

すぐ辞めてしまう人の共通点は「慎重に選んでいない」

すぐ辞めてしまう人の共通点は「慎重に選んでいない」

早期に離職する人が後悔することは、憧れやイメージだけで会社やブランドを選んでしまったということです。派遣会社に憧れのブランドを紹介されて「未経験でもチャレンジできますよ」とオススメされたら、飛びついてしまう人は少なくありません。

ただ、飛びつくなら、「未経験でもチャレンジできますよ」の後に(ただし、研修や入社後は大変ですが…)という言葉が隠れていることも認識すべきです。華やかでセンスのよいブランドがあったとしても、そこで働く美容部員の仕事も華やかとは限りません。トップブランドになると、さらにハードな職場環境を覚悟しておくべきです。

現在、トップブランドで活躍している店長クラスは、10年以上前の就職氷河期に凄まじい倍率を潜り抜けた人たちです。無給でもいいから働きたいという想いでストイックに働いているので、近年の美容部員との意識に差が大きく、いろいろな問題を抱えています。

 

憧れで選ぶのは本当にダメなのか?

憧れを持って、ブランドを選ぶことはダメではありません。ただし、先ほど説明したように、人気があればあるほど、内部の競争は激しく先輩たちも猛者揃いということを覚悟しておくべきです。

その覚悟がないまま人気ブランドにチャレンジすると、痛い目に合うことになります。

 

会社を慎重に選ぶにはどうすればよい?

憧れで選ぶのは本当にダメなのか?

3~5年後のキャリアをイメージしてから最初のブランドを選ぶことです。

マラソンや山登りを想像すれば分かりやすいです。いきなりフルマラソン、エベレストではなく、距離に不安があるならまずは10㌔からスタートしてみる。足腰に不安があるなら低めの山を登って、慣れたら徐々に上げていく。

仕事も同じです。

もし知識や技術に不安があるなら、教育研修の整ったブランドで1~2年しっかり働いてから憧れにチャレンジすればいいし、人間関係に不安があるなら、人間関係の良好な会社を選んで美容部員の仕事や環境に慣れてから憧れにチャレンジすれば良いと思います。

未経験で美容部員のことが何も分からないからこそ、求人の情報を鵜呑みにせず、派遣会社のオススメをしっかり吟味して、慎重に決めていくべきです。

 

美容部員の転職失敗例と成功例

私たちがキャリアサポートしている美容専門学校の卒業生の失敗談です。

 

Yさん|派遣社員|外資系コレクションブランド
このブランドは、ある商品が若い女性に刺さり、一躍トップブランドになって、美容部員への応募も殺到しました。美容専門学校卒のYさんは、多くのお客様にブランドに合うメイクをしてあげたいという動機で、ブランドイメージに合致していたことと、専門的なメイクアップスキルを持っていたので即合格。しかし入社後、お客様の来店数が多すぎて、接客にまったく時間を使えず、数か月の間、レジ打ちと検品や商品陳列しかさせてもらえず、6か月で辞めてしまいました。

人気ブランドの華やかなイメージの裏には、必ず泥臭い部分も存在します。それを理解せぬまま、憧れだけで転職をしてしまったケースです。

 

Nさん|契約社員|国内アーティストブランド
Nさんは未経験で美容部員への転職を希望されていました。国内最大手の化粧品メーカーにある有名アーティストブランドに入社することが目標でしたら、あまりにスキルギャップが激しいため、まず1年間、未経験者の受け入れ・育成に定評のある国内化粧品メーカーに転職。それから1年半後に、目標だったアーティストブランドの採用試験に合格して、無事目標を達成。現在も都内百貨店で美容部員として活躍されています。

長期的に自分のキャリアを考えて仕事を選ぶことが成功につながった良い例です。

 

おわりに

おわりに

これからは人手不足の時代で転職者が優位です。未経験でも入社できるブランドはどんどん増えています。しかし、その分、ミスマッチも増えています。

どのブランドでも決まりやすい時代だからこそ、慎重に就職・転職を決めることが大事です。

 

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この記事をかいた人

大学卒業後、大手人材会社パーソルキャリア入社。その後、@cosmeを運営するアイスタイルに入社、人事部、社長室、メディア事業部、子会社社長を経て、2018年に美容業界専門の新卒対策メディアを運営する「ビューティーツリー」を創業。