メイクアップアーティストを目指していたけど、メイクの仕事がないから路線変更して美容部員になろうと思っている美容専門学校やメイクアップスクールに通っている学生さんは多いのではないでしょうか。もしくは、美容部員を目指していたけど、ほかに学ぶ場所がなかったから、美容専門学校やメイクアップスクールに通っています、でもメイクアップアーティストになりたいわけではない、という方も多いと思います。
今回は、似たような職業と思われがちな、美容部員とメイクアップアーティストの仕事の違いについて、ご紹介したいと思います。
メイクアップアーティストになれるのはほんの一握り
筆者は、全国の美容専門学校やメイクアップスクールで就職支援のアドバイザーをしていましたが、メイクアップアーティストに憧れて、アーティストになりたいと思う方はいまだにたくさんいらっしゃいます。そして、メイクアップアーティストの育成を目的とする美容専門学校やメイクアップスクールで多くの方が学んでいます。
メイクアップアーティストの仕事は?というと、TVや雑誌で活躍するモデルさんや芸能人の撮影でのメイクになりますが、それだけで食べていけるほど収入はないため、ほとんどの方が掛け持ちでブライダルヘアメイクの仕事をやったり、メイクアップイベントのサポートに入ったり、いろいろと兼業しています。
よくメディアに露出するメジャーなカリスマアーティストもいますが、そのような人たちは本当に一握りで、9割以上のアーティストは日々食べていくのも大変なほどの収入で暮らしています。
美容部員とメイクアップアーティストの違い
美容部員は化粧品販売のプロであって、商品販売がメインで、メイクアップはあくまで販売に付随する技術的なサービスになります。一方、メイクアップアーティストはメイクの技術でお金をもらうため、お客様から求められることが全く違います。また、美容部員の販売の中心は、メイクアップブランドを除き、スキンケア商品です。だから、実際の販売現場ではメイクアップしてあげる機会はあまりありません。
仮にメイクアップブランドだったとしても、メイク商材は単価が安いため、お客様の回転率が重要になるため、接客時間を最小限にして販売を伸ばす必要があるため、こちらもメイクの技術を活かす機会は少ないでしょう。こういった事情を理解せずに美容専門学校やメイクアップスクール卒業生が美容部員になると、スキルが活かせない、こんなはずじゃなかった、といった理由で早期に辞めてしまう方もかなり多いようです。お客様から求められていることが全く異なることを理解した上で、どちらの職業を選択するか考えてみるとよいかもしれません。