「グループディスカッション(GD)では何を見ているのでしょうか?」RMK/SUQQUの元採用責任者にぶっちゃけ聞いてみた

「グループディスカッション(GD)では何を見ているのでしょうか?」RMK/SUQQUの元採用責任者にぶっちゃけ聞いてみた

ビューティーツリー編集長の辻堂です。

RMK,SUQQUの元採用責任者の石塚さんに人事の本音をぶっちゃけ聞いてみる連載企画。

今回のテーマは、「グループディスカッション(GD)では何を見ているのでしょうか?」について聞いてみました。

20年卒の美容部員の新卒採用では、資生堂、ロクシタン、ピアスグループでGDが導入されました。面接官はGDで学生の何を見ているのか、学生はどんな対策をしたらいいのか。これについて紹介したいと思います。

美容部員採用のグループディスカッション(GD)で見るポイントは3つ

美容部員採用のグループディスカッション(GD)で見るポイントは3つ

—美容部員採用のGDで見ているポイントを教えてください。

石塚:GDでは、以下の3つのポイントを見ています。

1.前向きに参加しているか
2.協調性
3.自分の意見を言えるか

この3つをクリアすれば、基本的にGDは通過します。

1.前向きに参加しているか

—面接官はGDに参加している学生の姿勢を見ているのでしょうか?

石塚:はい、そうです。GDは1つのテーマについてチームで議論します。その議論に前向きに参加できるかどうかでチームで行動する美容部員の仕事に向いているかどうかを判断できます。議論を聞いているだけの受け身の人、誰かの意見を否定する人、目立とうとして強引に仕切る人、つまらなさそうな態度で参加する人などはNGです。

 

—当たり前のことですが、笑顔で前向きに楽しそうに参加することが大事ということですね?

石塚:そうです。決して難しくはありません。チームで議論することに、とにかく楽しむことです。チームでやることに楽しめない人を落とします。

—なるほど。1つ目のGD対策のポイントは「とにかく楽しんで参加すること」ですね。

2.協調性

—協調性とは仲間への関わり方ですね?

石塚:はい。シンプルに言うと、「人の意見をちゃんと聞いているか」「人の意見を受け入れているか」です。人の話を聞かないで、メモばかりしていたり、自分が話すことを考え込んでいたりするとNGです。また、人の意見を否定したり、無視したりすることもNGです。この2つさえ意識しておけば、協調性はクリアできるでしょう。

 

—人の意見を否定して、自分の能力をアピールしようとする人がいますが、逆効果ということですね。

石塚:逆効果です。さっきも言った通り、美容部員はチームで動くので、チームが楽しくワクワクするにはどうしたら良いか、を考えて行動するといいでしょう。

—2つ目のGD対策のポイントは「人の話を聞く。意見を否定しない」ですね。

3.自分の意見を言えるか

—よく学生さんから「自分の意見を言うのが難しい」と聞きます。アドバイスはありますか?

石塚:何でもいいんです。自分が思ったことを恥ずかしがらずに言うことが大事です。あと、先に発言した人と意見が同じ場合があります。その場合は、「●●さんと同じ意見です。」でもいいんです。ただし、そのあとに必ず理由やエピソードを言うようにしましょう。

具体例はこちら


GDのテーマ

「一番うれしい褒め言葉とは」
(ピアスグループで実際に出たテーマ)

佐藤:私は「ありがとう」という言葉だと思います。なぜなら….だからです。

山田:私も佐藤さんと同じです。実は私も高校時代の飲食店でのアルバイトをしていたのですが、その時にご年配のお客様がお越しになった時、とても荷物が重そうだったので「荷物をお持ちしましょうか?」と聞いたところ、とても嬉しそうに「ありがとう。あなたのような孫が欲しいわ」と言って頂いたことがとても印象に残っています。やはり、シンプルに「ありがとう」、という言葉が一番嬉しい褒め言葉だと思います。


このように、同じ意見でも、そう思った理由やエピソードを付け加えるだけで、自分の意見に変えることができます。

 

—これはとても大事ですね。同じ意見でもエピソードを付け加えれば自分の意見になりますね。

石塚:GDは正解がないテーマが多く、発言内容はなんでもいいんです。とにかくちゃんと意見が言えたかどうかが重要です。

—3つ目のGD対策のポイントは「他人と同じ意見でも、そう思った理由やエピソードを語ること」ですね。

GDのテーマはその会社のカルチャーを表す

石塚:最後に、GDのテーマはその会社のカルチャー(文化)を表していると思います。

—文化ですね?具体的に言うとどういうことですか?

石塚:売上や数字をテーマに扱う会社は、売上や数字など目標達成にこだわる会社だと思います。上記で紹介したピアスさんのように「褒め言葉を見つける」という会社は、チームワークを大事にする会社。正解が想像つかないようなテーマを扱う会社はワクワクや変革、チャレンジ、発想の豊かさなどを求めているかも知れません。

 

—確かに。会社がどのテーマを選ぶかは、その会社の価値観を表していると言えますね。

石塚:その通りです。だから、GDに参加して純粋に楽しいと感じたら、その会社はあなたに向いているでしょう。逆に、なんか楽しくなかったと感じたら、向いていない可能性が高いと言えます。

—GDは楽しむことも重要ですが、一方で会社を選ぶ基準として「自分は楽しめたかどうか」を振り返ることも大事ですね。ありがとうございました。

GDでは何を見ているの?のまとめ

GDで面接官が見ているポイントと対策は以下の通りです。

1.前向きに参加しているか→楽しむこと
2.協調性→人の意見を聞くこと、否定しない
3.自分の意見を言えるか→同じ意見でも理由やエピソードを語ること

そして、GDのテーマは、その会社の価値観やカルチャーを表しているので、GDを純粋に楽しむことができれば、その会社は向いているし、楽しくなければ向いていない可能性があるということです。

この記事をかいた人

大学卒業後、大手人材会社パーソルキャリア入社。その後、@cosmeを運営するアイスタイルに入社、人事部、社長室、メディア事業部、子会社社長を経て、2018年に美容業界専門の新卒対策メディアを運営する「ビューティーツリー」を創業。