美容部員にはどんなキャリアパスがあるの?

美容部員にはどんなキャリアパスがあるの?

美容部員に就職・転職する上で気になるのが「美容部員になった後のキャリアパス」です。

どんなキャリアパスがあるのでしょうか。

美容部員は化粧品を販売するのが仕事ですが、販売の仕事の中でも高度な知識とスキルを求められる仕事です。美容部員が働く化粧品業界にはどのような仕事があるのか。会社の中と外に対してどんなキャリアパスがあるのか紹介します。

美容部員のキャリア

美容部員のキャリアには3つあります。

1.縦にキャリアを歩む|リーダー→チーフ→店長へ
2.斜めにキャリアを歩む|美容部員→トレーナー・営業へ
3.横にキャリアを歩む|美容部員→異業種

 

縦にキャリアを歩む|リーダー→チーフ→店長へ

とても一般的なキャリアアップの形です。化粧品メーカーや大手の専門店では、美容部員をジュニア、シニア、リーダー、店長の4段階で分類しています。

以前、私が勤めていた化粧品会社では、新卒はジュニアからスタート。その後、1~2年くらいでシニアに昇格。2~3年でリーダー、3~5年でチーフ・店長の順にキャリアを歩みます。

それぞれの役職と年収は以下の通りです。

 

■年収レンジのイメージ

役職 年収目安
ジュニア(1-2年目) 250万円~350万円
シニア(2-3年目) 275万円~375万円
リーダー(3-5年目) 300万円~400万円
チーフ・店長 350万円~500万円

 

■チーフは店舗の要

チーフは店舗全体の売上を管理して、販売施策を考えたり、新人などの教育や育成も担当します。店舗の要であり、チーフによって店舗の雰囲気が大きく変わります。

販売知識やスキルを持ち、後輩から慕われるような人間的魅力のあるチーフなら、雰囲気のよい店舗になり、退職者も少なく、売上数字が好調に推移することが多いです。

 

■店長・マネージャーは全体管理
店長・マネージャーは、チーフの上位になり、店舗全体の売上や人材などのマネジメント責任を担います。担当する店舗スタッフ全員の販売力を高めるための研修会や勉強会を企画実行したり、営業と連携して、販売計画を達成するためのプロモーションを企画実行したりします。また、担当店舗のスタッフが退職してしまったら、欠員補充するために営業や人事と連携したり、規模の大きくない化粧品会社や専門店では、人材の採用面接も店長が行います。

 

2.斜めにキャリアを歩む|美容部員→トレーナー・営業へ

化粧品会社では、自社の美容部員や販売店の美容部員向けに新人、2年目・3年目…といった年次研修、スキル研修、また新商品が発売されるタイミングで新商品研修など、さまざまな研修が行われています。これらの研修講師は基本的には教育トレーナーが担当します。教育トレーナーは、自社のブランドや商品知識がないと、美容部員に教えることができないため、豊富な販売経験を持つ人材から適任者を抜擢します。教育担当者になると、商品知識や販売経験だけでなく、それらの経験をどのようにすれば的確に伝わるか、カリキュラムや教材コンテンツを開発したり、たくさんの美容部員に対してプレゼンするためのスキルなども身につける必要があります。

 

教育トレーナーになるには

美容部員には人に物事を教えることが好きな人が多く、教育トレーナーへステップアップを希望する人はたくさんいます。また、教育トレーナーになると、人に教える技術がさらに高まるため、その技術を活かして独立する人もいます。つまり、教育トレーナーは美容部員にはとても人気のポジションです。

人気があるだけに、教育トレーナーにステップアップするのはかなり難しい状況です。通常は、社内公募等で応募して異動していくのが一般的です。しかし、教育トレーナーのポジションは限られていて、退職者が少ないため、募集がかかりません。だからどうしてもトレーナーになりたい人は、別のブランドのポジションを狙うことをオススメします。

最近できたばかりのブランドやまだ認知度の浅いブランド、ネットからリアルに展開しようとしているブランドなど、教育体制がまだ整っていない会社を狙うと意外とスムーズに転職できます。

 

3.横にキャリアを歩む|美容部員→異業種

美容部員から異業種のまったく違うポジションへキャリアチェンジするパターンです。実はこのパターンでキャリアチェンジする人は増えています。

 

美容部員を3年経験したら有利に転職できる

美容部員は、商品ありきではなく、お客様の悩みに合わせて商品を提案していくカウンセリング販売になります。このカウンセリング販売の経験を求めている企業は山ほどあります。ウェディング、人材、金融、広告といった業界軸もあれば、営業や人事、広報といった仕事軸でもあります。

よく、「このまま美容部員を続けていたらこの先キャリアチェンジできなくなるのではないか」という不安を持って転職相談に来られる方がいますが、まったく不安に思う必要はありません。そのかわり美容部員になったら3年は続けましょう。1万時間の法則というのがあり、1つの専門的なスキルを学ぶのには1万時間必要ということです。1万時間というと、ざっくり4-5年です。だから少し短く見積もっても、3年経験すればどこでも通用するスキルは身につきますし、キャリアチェンジの可能性は広がります。また、3年続けていると、人事採用担当者の印象も格段に良くなります。

 

おわりに

美容部員は化粧品販売のプロです。美容部員でしっかりと経験を積めば、キャリアの可能性はかなり広がります。化粧品業界の外に出れば、美容部員で培った高度な販売スキルを多くの会社が求めています。

これから美容部員に転職を考えている人や、現在美容部員として活躍している人にとって、このまま美容部員を続けていて大丈夫だろうか、と悩む方もいらっしゃるかと思います。美容部員として美容の知識と販売スキルを身につけることができれば、将来の可能性は必ず拡がっていくと思います。

 

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この記事をかいた人

大学卒業後、大手人材会社パーソルキャリア入社。その後、@cosmeを運営するアイスタイルに入社、人事部、社長室、メディア事業部、子会社社長を経て、2018年に美容業界専門の新卒対策メディアを運営する「ビューティーツリー」を創業。