これからの美容部員に必要になる資格やスキルとは

これからの美容部員に必要な資格やスキルとは
これから美容部員に転職を考えている人や現役の美容部員さんにとって、百貨店や化粧品専門店の売上が全国平均では低下していて、ネット通販が伸びている中、「美容部員の仕事は本当にこのままで大丈夫なの?」「これからどんなスキルや資格が必要になるの?」といった漠然とした不安を持つ方も多いのではないでしょうか。ネットで化粧品を買うのが当たりまえの時代に、美容部員としてどんなスキルや資格があればいいのか、考えてみたいと思います。

 

伸びているのはネット通販とブランド横断型の化粧品専門店

伸びているのはネット通販とブランド横断型の化粧品専門店
ネットで検索すればすぐに分かることですが、全国の百貨店の売上は、10年前に比べて約1.5兆円ほど低下しています。ここ2~3年に限って言えば横ばいですが、それは中国人をはじめとする海外旅行者の爆買いの影響があってなので、日本人だけでみればかなり低下していると思われます。また、資生堂やカネボウといった大手のチェーンストアと言われる化粧品専門店も一部の店舗を除き、ずっと右肩下がりで、これまで多くの美容部員が活躍してきた百貨店や専門店の売上は縮小しています。

いっぽう、amazonをはじめとするネット通販は、2016年に5000億円を超えていて(日本流通産業新聞調べ)、ドラッグストアと並び、日本で非常に多くの化粧品が売れています。また、化粧品専門店の売上は低下傾向にあるといいましたが、アットコスメストアやフルーツギャザリング、コスメキッチンといったブランド横断型の化粧品専門店の売り上げが伸びています。これまでは、百貨店や街の化粧品店では別々のブランドを集まっていたのを、1つのお店に集約して販売している店舗のことを指します。つい最近も、百貨店でしか購入できなかったサンローランやランコムといったロレアルグループがアットコスメストア@ららぽーと富士見店で商品を販売するようになり、今後まずますブランド横断型店舗への注目が高まっています。

 

ネットで化粧品を買う時代のリアル店舗の役割とは

ネットで化粧品を買う時代のリアル店舗の役割とは

ネットで化粧品を買う人は、これからもどんどん増えていくでしょう。ネットが当たり前の時代に、ブランド横断型の専門店や百貨店などのリアル店舗の役割とはいったい何でしょうか?私はリアル店舗の役割とは「商品を体験できること」に尽きると思っています。つまり、プロの美容部員さんに相談しながら、たくさんのアイテムを実際に試して、買うべき商品を見つけることができるのがリアル店舗の魅力ということです。化粧品は女性にとってとても大事な肌につけるものなので、使用感も千差万別で、ネットの情報だけではなかなか決めきれないのが実際のところだと思います。だからこそ、ブランド横断型の専門店のように、一度にいろいろなブランドが試せて、プロの美容部員にも聞けるという場所はとても魅力的で、多くの女性に支持されているのでしょう。

 

ブランド横断型の専門店で働く美容部員とは

ブランド横断型の専門店で働く美容部員とは
ブランド横断型の専門店で働く美容部員は従来の百貨店などで働く美容部員と比べると、扱うブランドや商品の数は桁違いに多くなります。つまり、自分が担当するブランドの商品知識さえあれ
ばOKだったことが、ブランド横断型の専門店ではまったく足りない、ということになります。したがって、スキンケア、メイクアップ、ボディケア、サプリメントなど扱う商品は多岐にわたるため、そこで働く美容部員が持つべき知識や経験の幅も同時に拡がっていきます。つまり、メイクアップだけ、スキンケアだけ、というような特定のブランドを売るための知識やスキルではなく、1000を超えるアイテムや複数のブランドを売れる幅広い商品や美容の知識が求められます。

実際、アットコスメストアでは未経験者はすべて契約社員からスタートして、入社時研修からフォローアップまで徹底的にトレーニングします。そして、約1年間の下積み期間を経て正社員になった後も「はい終わり」ではなく、2年目、3年目といった年次ごと、チーフ、店長といった役職ごとにさまざまな研修を設定しています。

 

語学力もあると有利に

語学力もあると有利に

今後、ブランド横断型の化粧品専門店が伸びていくと言いましたが、それらは主要都市の主要駅に限らず、外国人旅行者が集う空港にもどんどん増えています。今は、わざわざ主要都市の百貨店に外国人旅行者が化粧品を買いに行くのが主流ですが、今後は滞在期間中はもっと観光や体験をメインに過ごして、帰りの空港免税店で化粧品を買って帰る、という流れに変わっていくでしょう。既に成田などの国際空港では化粧品の売上がかなり伸びていて、空港免税店の美容部員の募集も急増しています。そうなってくると、お客様は外国人(特に中国人)になりますので、中国語が話せる美容部員、というだけで、引く手あまたの存在になることは容易に想像できます。

美容部員の役割は、これまでは「日本人のお客様へ特定のブランドの化粧品を販売すること」だったのが、これからは「世界中のお客様へあらゆるブランドの化粧品を販売すること」に変わっていくと思われます。これからも必要とされる美容部員になるためには、美容の基礎知識はもちろん、偏りのない美容や健康にまつわる幅広い知識や多岐にわたるブランド・商品の知識、そして語学、これらを1つでも多く身につけることが大事なのかも知れません。

 

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この記事をかいた人

大学卒業後、大手人材会社パーソルキャリア入社。その後、@cosmeを運営するアイスタイルに入社、人事部、社長室、メディア事業部、子会社社長を経て、2018年に美容業界専門の新卒対策メディアを運営する「ビューティーツリー」を創業。