同じ美容部員でもブランドによって給与が違うのはなぜ?

【美容部員の転職】同じ美容部員でもブランドによって給与が違うのはなぜ?

美容部員の求人を見ていると、会社やブランドによって、雇用形態や給与などの雇用条件は異なります。同じ会社でも、ブランドによって給与が変わることもよくあります。

百貨店カウンターを見ていると、ブランドAはすごく忙しそうにしていて、ブランドBはおしゃべりするくらい余裕があるのに、求人を見るとブランドAは契約社員で給与も安く、ブランドBは正社員で給与もよく、賞与まで出るというみたいなことです。ブランドAで働く人にとっては、ちょっと割に合わない気がしますが…今回はブランドによって給与が変わる理由をご説明します。

 

化粧品はアイテムによって利益率が大きく異なる

化粧品はアイテムによって利益率がかなり異なる
純粋に、利益が出ている会社は給与が高く、利益が出てなければ給与は低くなる傾向にあることは何となくお分かりかと思います。まあ、利益が出ていたとしても、給与をあまり出さない会社もあったりしますが、一般的には利益が出てれば給与は高くなります。

さて、化粧品をざっくり分けると、スキンケア、メイクアップ、フレグランス、ヘアボディケアになります。フレグランスやヘアボディケアは、ゲランやジョンマスターオーガニックなど、日本でも知名度の高いブランドはありますが、市場自体がまだまだ小さいため、今回はこの2つのアイテムは除いて考えてみましょう。

メイクアップをベースメイクとメイクアップに分けて、スキンケア、ベースメイク、メイクアップの3つのアイテムで考えた場合、利益率の高い順番に並べるとどうなるかご存知ですか?

 

利益率の高いアイテムの順番

スキンケア > ベースメイク > メイクアップ

価格に対して高価な原料をたくさん使っているアイテムなど一部の例外は除いて、ほとんどのアイテムではこの順番になります。つまり、利益率の高いのはスキンケア。メイクアップアイテムでも、ベースメイクの方が高く、メイクアップは利益率が低い傾向にあります。また、利益と同じく、商品単価も同じように、スキンケアが最も高く、メイクアップが最も安くなります。

仮に、スキンケアがそこそこ売れているブランドと、メイクアップアイテムの売れ行きが好調なブランドがあった場合、どちらが利益率が良いかというと、おそらく前者のスキンケアがそこそこ売れているブランドの方が利益率は高く、結果的に給与や雇用条件などもメイクアップブランドよりも良くなる傾向にあります。

 

アイテムが変わると、美容部員の売り方も変わる

アイテムによって、単価や利益率が変わると話しましたが、実はそこで働く美容部員の売り方も大きく変わります。たとえば、スキンケアやベースメイクといったアイテムは、一度でもお客様が気に入ってくれれば、短期間でブランドをスイッチすることは少なく、比較的長くお使いいただける場合は多いです。

逆にメイクアップアイテムは、トレンドに敏感で、ずっと同じブランドを使うという方も中にはいらっしゃいますが、一般的には流行りすたりが激しと言われています。そのため、スキンケアやベースメイクをメインに販売する美容部員は、1回1回の接客に時間をかけて、ブランドのファンになってもらうことが大事で、新規顧客獲得よりは既存顧客と長くお付き合いする接客が求められます。

一方で、メイクアップがメインだと、単価が安くできる限りたくさんの量を販売することが求められるため、1回1回の接客の時間を効率化し、短い時間でいかにたくさん売れるか、といった接客が求められます。つまり、新規顧客獲得と効率化が重要です。

 

ミスマッチを防ぐためにもアイテムや接客スタイルなどもしっかり見ておきましょう

ミスマッチを防ぐためにもアイテムや接客スタイルなどもしっかり見ておきましょう
こういったことを理解しないまま美容部員になってしまうと、「もっとお客様一人ひとりとじっくり向き合う接客がしたかったのに時間に追われてできない」「メイクアップスクールを卒業して技術を使いたいのにメイクをして差し上げる機会が全くない」という理由で辞めてしまうケースが多々あります。

未経験で美容部員に転職する際は、憧れだけで選ぶことなく、扱っているアイテムや接客スタイル、待遇などをしっかりと見てから判断するようにしましょう。未経験から美容部員を目指す方で、絶対に失敗したくないと思う方は、プロの転職アドバザーに相談してみましょう。

この記事をかいた人

大学卒業後、大手人材会社パーソルキャリア入社。その後、@cosmeを運営するアイスタイルに入社、人事部、社長室、メディア事業部、子会社社長を経て、2018年に美容業界専門の新卒対策メディアを運営する「ビューティーツリー」を創業。