【業界研究】化粧品業界の動向と将来性、業界を志望する理由について

【業界研究】化粧品業界の動向と将来性、業界を志望する理由について

美容部員の就活対策サイトを運営するビューティーツリー編集長の辻堂です。

今回は、就活していく上で、自己分析と並び大きなテーマとなる業界研究についてお話します。

業界研究は正しい方法を理解すれば、そこまで時間をかける必要はありません。ここで紹介する目的とやるべきことをしっかりやって、できるだけ早く、面接に向かいましょう。

業界研究する3つの目的

業界研究する目的は、以下の3つです。

1.自分に合う会社を見つける
2.志望動機のネタを見つける
3.自己PRのネタを見つける

そのために、業界研究でやるべきことは、以下のたった2つです。

1.会社、ブランドの違いを知る
2.実際に店頭に行く

この2つをしっかりやれば、業界研究はそれだけで十分です。

会社やブランドの違いを理解することができれば、自分に合ったブランドや会社を簡単に見つけることができます。
また、会社やブランドの違いや店頭を訪問して得た情報があれば、面接官を納得させられる志望動機を考えることができます。

業界研究は明確なゴールもないし、正解もないため、やり始めるとキリがありません。ぼやっとした状態で研究しても得るものはありませんので、この3つの目的をしっかり持って業界研究しましょう。

さて、業界研究でやるべき2つのことに着手する前に、さらっと業界の動向や将来性について紹介しておきます。

化粧品業界の動向と将来性

業界の特徴と将来性を知るために売上の推移を見てみます。

化粧品業界の動向

このグラフで、重要なのはたった1つ。それは「化粧品業界は安定していて景気の影響をあまり受けない」ということです。これだけ知っておけばOKです。

最近は、中国人を中心としたインバウンドの影響で、右肩上がりで伸びていますが、それ以外は急激な成長・衰退はありません。逆に、よく比較されるのがアパレル業界で、アパレル業界は景気の影響をモロに受けます。

当然、不景気になって売り上げが下がったら、それと比例して販売員もリストラされます。だから、全てとは言えませんが、アパレル販売より化粧品販売の方が、業界的にも雇用は安定していると言えます。

化粧品業界が安定している理由

景気が悪くなると外食はちょっと控えよう、服を買うのはやめておこう、といった感じで、みんなお金を使わなくなります。でも、化粧品を買うのはやめたりしません。多少、高額なものはやめておこうと単価を落とす人もいるかも知れませんが、美しくありたいという願望が強いため、化粧品は買い続けます。だから化粧品業界は景気の影響をあまり受けず、比較的安定しています。そして、雇用も安定します。

日本の化粧品は海外では大人気

日本の化粧品は海外でも人気です。なぜなら、日本製の化粧品はクオリティが高いからです。日本人の厳しい要求に応えるために、高いクオリティの化粧品が開発されています。そのため、海外からも買いに来るわけです。今後も日本の化粧品がアジア諸国へとどんどん拡がっていくでしょう。

1.会社、ブランドの違いを知る

会社やブランドの違いを知るには、次の4つの視点が重要です。

①チャネル(販売している場所のこと)
②カテゴリ
③商品の価格帯と客層
④ブランドの特徴

この4つの視点があれば、会社やブランドの違いを明確に理解できます。では、早速、4つの視点について、ざっくり見ていきましょう。

チャネル

チャネルはざっくり分けて、「百貨店」「専門店」「ドラッグストア」の3つです。

●百貨店
華やかな印象がある反面、百貨店側の厳しいルールに縛られて働くことになるため、ラグジュアリーさや高級感を求める人には向いていますが、カジュアルな雰囲気で働きたい方には向いていないかも知れません。
●専門店
駅前や主要都市にある専門店は、若い女性がたくさん来店して非常に忙しく、スピードが求められます。一方、地域密着の専門店なら、若い女性というよりは、幅広い年齢層の女性を相手に接客をする必要があり、またどちらかというと、じっくりとした接客を求められるかも知れません。
●ドラッグストア
3つのチャネルでは最もカジュアルで、客層も多岐にわたり、仕事の幅も広がります。カジュアルな環境で働きたいと思う人は、専門店やドラッグストアが向いているでしょう。

絶対に百貨店で働きたい人は百貨店ブランドを選ぶべき

「百貨店じゃなきゃ絶対イヤ!」という人は、百貨店ブランドに絞って就活しましょう。シャネル、ディオール、サンローラン、ランコム、エスティローダー、クリニークなど、一部専門店に展開しているブランドもありますが、基本的には百貨店です。また、国内系では、RMK、SUQQU,THREE,イプサなどです。

逆に資生堂、コーセー、ソフィーナ、カネボウ、アルビオンなどは、百貨店チャネルはほんの一部で、ほとんどは全国の専門店での勤務となります。入社後、後悔しない為にも、働く環境を重視する人はチャネルがどこなのか、しっかりと把握しておく必要があります。

カテゴリ

カテゴリもざっくり分けて、スキンケア、ベースメイク、ポイントメイク、ヘアケアの3つに分かれます。

●スキンケア
トレンドや流行があまりなく、顧客が定着しやすい。だから、お客さんと長い付き合いができます。また、メイクに比べて単価が高く、その場で効果を実感できるものではないため、カウンセリングをしながら丁寧に接客するスタイルが求められます。
●メイク
トレンドや流行に流されやすく、それはベース<ポイントの順に影響を受ける。その為、新規の顧客が多くなリます。また、スキンケアに比べて単価が安いので、たくさんの数を売らなければならず、スピード感のある接客スタイルが求められます。
●ヘアケア
スキンケアと非常に近しく、皮膚の知識に加えて、頭皮や毛髪に関する専門的な知識も必要となります。

カテゴリによって、お客さんとの付き合い方や接客スタイルが大きく変わってきますので、自分にあった接客スタイルはどれなのか考えてみましょう。

商品の価格帯と客層

カテゴリと関係しますが、一般的に低価格、中価格、高価格の3つに分類されます。

●低価格
メイクアップアイテムが多く、若い女性がメイン顧客になります。単価が安いので、たくさん売らなければならず、スピード感ある対応が求められます。
●中価格
幅広い年齢層が来店して、そこそこ売りつつ、そこそこ丁寧な接客が求められます。
●高価格
スキンケアに多く、年齢層高い女性がメイン顧客になります。単価が高いので、じっくり接客をして、件数よりも購入率を高めることが求められます。

カジュアルな雰囲気でスピード感のある接客が求められるのか、カウンセリング重視の接客が求められるのかは価格帯が大きく影響します。

ブランドの特徴

これまで紹介した3つと比べて、かなりぼやっとした基準になりますが、ブランドの特徴によって、違いを知ることができます。
ざっくり分けると「コレクションブランド」「アーティストブランド」「スキンケアブランド」「ドメスティックブランド」の4つです。

詳しくは以下の記事を参考にしてください。
【業界研究】化粧品メーカー・ブランドの選び方

ここで紹介した4つの視点で、気になる会社やブランドを自分なりに分析してみて、どれが自分に合っているか、それはなぜなのかについて整理しましょう。

2.実際に店頭に行く

1で自分に合っている会社やブランドを見つけたら、本当にそうなのか、実際はどうなのかを調べるために、店頭に行きましょう。

なお、店頭に訪問する際に重要なことは「どこに魅力があるのかを探す視点を持って訪問する」ことです。
【志望動機】会社やブランドを選んだ理由が特に見つからない場合はどうすればいいか?

まとめ

化粧品業界はアパレルや外食と異なり、非常に安定した業界です。

また、今後は海外からのニーズ拡大と、国内の高齢化による需要拡大で、
将来性が高い業界であることもわかりました。

これらを踏まえて、就職先として化粧品業界を選ぶ理由は主に2つあります。

①化粧品はすべての女性に感動を届けることができる
②仕事をずっと続けていくことができる

もし、今回の記事を通じて、皆さんが化粧品業界に興味を持ったなら、
是非、どんな会社・どんな仕事があるのか、更に詳しく調べてみましょう。

この記事をかいた人

大学卒業後、大手人材会社パーソルキャリア入社。その後、@cosmeを運営するアイスタイルに入社、人事部、社長室、メディア事業部、子会社社長を経て、2018年に美容業界専門の新卒対策メディアを運営する「ビューティーツリー」を創業。