美容部員に必要な資格とは?

美容部員に必要な資格とは?

こんにちは。美容部員専門のオンラインスクールを運営するタレンタップ代表の辻堂です。

美容部員の転職相談では、
「美容部員になるためには資格は要らないんですか?」
「資格が必要なくても検定とか何かしらの勉強をしないとなれないんじゃないですか?」
とよく聞かれます。

なので、今回は「美容部員と資格」について、お話したいと思います。

美容部員になるのに資格は必要ない

美容部員になるのに資格は必要ありません。
資生堂グループのNARS、エスティローダーグループのMACなど、アーティスト色の強いメイクアップブランドでは高い技術を求めるため、新卒なら専門学校卒業生を採用するし、中途なら経験者を採用する傾向にあります。
しかし、それ以外のブランドでは、スキンケアやメイクアップ問わず、未経験者を積極的に採用していますし、資格取得を採用条件にするブランドはまずありません。

とは言え、知識ゼロ、技術ゼロの未経験から美容部員にチャレンジすると、相当苦労するのは事実です。なぜなら、美容部員は専門性が高い仕事だからです。

未経験で美容部員になった人の半分以上が入社後半年以内に離職

未経験で美容部員に転職すると4~5割は辞めてしまう?

資格が必要ないからといって、未経験で美容部員にチャレンジしても知識やスキルの面では本当に大丈夫なのでしょうか。

結論から言うと、大丈夫じゃないことのほうが多いです。

美容部員への転職を考えた場合、入社後の教育研修期間の平均は約1~2週間程度です。資生堂、コーセー、ポーラといった国内大手ブランドでは研修制度が充実しているので多少安心ですが、できて10年未満の会社やブランドではしっかりとした研修体制はなく、短いところだと研修期間は2日間のみ、というブランドもあります。

お客様から美容のプロとして期待される美容部員に、未経験者がたった2日間でなれるかというと、かなリ無理があります。

でも、美容部員になるのに資格とか知識・技術的な条件がないので、未経験者が何も知らずにチャレンジすると、知識も追い付かないまま現場に配属されて、苦労した挙句に行き詰まり、早期離職するというケースが多発しています。

美容部員になるには何を勉強したらいい?

美容部員になるには何を勉強したらいい?

最低限、皮膚の構造、スキンケア・メイクアップ、化粧品の種類と効果効能といった美容の基礎知識はあった方がいいでしょう。
もちろん、入社後の研修でも基礎を教えてくれますが、たった数日で覚えることができるほど簡単ではありません。

なので、美容部員への転職を考えているなら、転職活動前とか転職活動中の時間のある時に、美容部員の育成専門のオンラインスクールでしっかりと基礎を学んでおくとか、美容やメイクを学ぶ検定試験や参考本も出ていますので、しっかり読み込んでおくといいでしょう。これについては美容部員になるのに役立つ資格・検定14選に詳しく書いてありますので、読んでみてください。

ただし、検定試験や参考本は、「皮膚はこうなっています」「皮膚の~はこんな働きをしています」といった具合に、知識を知識として覚えることが目的になっているからです。これはまさに、理科の教科書と同じです。

でも、本来、美容部員に求められることは「お客様の悩みである”たるみ”はそもそも何が原因で、どうしたら改善できるか」というお題に対して、皮膚の構造やスキンケアの知識を絡めて原因と改善策を提案してあげることです。

だから、検定試験を通じて知識を得ることは、それはそれで重要なことですが、本来はお客様からよくされる悩みや相談ありきで、それに合わせて知識を覚えていくというのが本当は理想的です。でも、美容部員のための実践的な検定試験は現時点では存在しないので、実践的かどうかは一旦忘れて、最低限の美容の知識をしっかりと身につけておくといいでしょう。

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美容専門学校やメイクアップスクールに通うのはあり?

美容部員になるのに実践的な知識や技術が必要なら、美容専門学校やメイクアップスクールに通うのはアリなのでしょうか。最近では通信講座などもあって、通学コースだと年間100万円ちかくかかるものが、通信コースだと10万円程度で受講できますし。

結論言うと美容部員をめざすのに美容専門学校やメイクアップスクールに通うのは私はオススメしません

なぜなら、美容専門学校やメイクアップスクールはメイクアップアーティストを育成することを目的にしているからです。

最近では、少子化の影響やメイクアップアーティストを志望する学生の数が減ってきているので、ビューティーアドバイザーコースとか、メイクアドバイザーコースといった具合に、対象を広げていますが、教育プログラムの根っこはメイクアップアーティストの育成です。

美容部員とメイクアップアーティストは、なんとなく近い職業のような印象を持ちますが、似て非なるもので、全くと言っていいほど違います。それについては、美容部員とメイクアップアーティストは全く違う仕事の記事に書いてあるので、読んでおいてください。

だから、私はオススメしていません。メイクアップアーティストを目指すなら、話は別ですが…。

美容専門学校生やメイクアップスクール卒業生は就転職にむしろ不利?

美容専門学校生やメイクアップスクール卒業生は就転職にむしろ不利?

近年の新卒採用では、専門学校生よりも短大や四大卒の学生を採用する割合はどんどん高まってきていて、専門学校やメイクアップスクールのような高度な知識や技術を持っていることが有利かと言うと、必ずしもそうではありません。

普通に考えたら、短大や四大卒よりも美容専門学校やメイクアップスクール卒業生の方が、専門的な知識やスキルを持っているから優遇されるはずでしょ?と思いますよね。でも、実際にはそうではないようです。

なぜか、それは高額の学費を払って長い年月をかけて学んだ知識やスキルを活かす場所が美容部員の仕事にはあまりないからです。つまり、先ほども言ったように、専門学校やメイクアップスクールはメイクアップアーティストを育てることにあるので、メイクアップアーティストと美容部員の仕事が全く違うのであれば、そこで学んだものはあまり活かせないということになります。

だから、専門学校やスクールを卒業したということは、必ずしも就転職では有利になりません。むしろ、不利になるケースもあるくらいです。

それについては、美容部員を目指すのに美容専門学校やメイクスクールに行ってはいけない3つの理由で詳しく書いてありますので、読んでみてください。

美容専門学校やメイクアップスクールがアーティスト育成を目的にするのはなぜ?

メイクアップアーティストとして食べていけるのはほんの一握りで、ほとんどの人は兼業しないと食べていけません。
それなのに、美容専門学校やメイクアップスクールではメイクアップアーティストの育成を目的にしています。なんで??と思いませんか?

これについて、ハッキリ言うと、学校やスクールは学費が最も大きい収入源です。しかし、近年は少子化の影響で学生の数が減っています。そうなると、学費はどんどん減ってしまいますので、とにかく育成に時間がかかって学費が高くなる(=儲かる)テーマを扱う必要があります。つまり、受講コマ数が多ければ多いほど良いことになります。

本来、美容部員を目指す人には、美容部員の育成を目的としたコースを用意すればいいのに、そうすると受講コマ数は確実に減ります。なぜなら、美容部員を育成するのに2~3か月あれば十分だからです、

一方、メイクアップアーティストになるには高度な技術が必要なので、それに応じて練習時間が必要になり、美容部員に比べて受講コマ数は飛躍的に増えます。結果、学費は2年間で300万円以上という相場になります。そういった事情があるので、専門学校やメイクアップスクールはメイクアップアーティストを育成したがります。彼らにとって、美容部員の育成はどうしても割に合わないのです。

しかし、現実的にはメイクアップアーティストの仕事はほぼなく、兼業しなければ食べていくのは難しい状況です。だから、ほとんどの専門学校生は仕事がないことに途中で気が付き、美容部員へ転向する人が多いです。

そこで、いつも私は思います。
美容部員になるのに本当に2年間300万円は必要だったのでしょうか

美容部員をめざすなら専門的に学びすぎると逆にツライ?

美容部員をめざすなら専門的に学びすぎると逆にツライ?

これは元RMKの人事責任者の方に聞いた話ですが、美容専門学校生やメイクアップスクールの卒業生は、とても素直でメイクに対する興味関心も高くて素晴らしいのですが、一方で専門的な知識や技術を持ちすぎていて、逆に育成に苦労する、と仰ってました。

つまり、下手に専門的な知識や技術があると、美容部員として活躍するには邪魔になる可能性すらある、ということです。なぜなら、化粧品メーカーにはそれぞれの美容における哲学、つまりこれが正しい!と信じているスキンケアやメイクアップの考え方や方法があって、それは時として美容専門学校やメイクアップスクールが教えていることと大きく異なるケースがあるからです。

化粧品メーカー各社が共通して教える美容の基礎的な知識・技術は存在します。この基礎の部分は、しっかりと学んでおくと、どのブランドでも役立つことでしょう。しかし、基礎の上に乗る応用の部分では、メーカーやブランドによってかなり異なることがあります。アルビオンが乳液を塗ってから化粧水を塗る、というそれまでの常識を覆したのは、最も分かりやすい例でしょう。

その応用の部分を、長時間かけて教えているのが専門学校やメイクアップスクールです。専門学校で「Aが正しい」と教えていたことが、とあるブランドでは「Bが正しい」と教えているケースが存在します。この場合、2年間の学生生活で正しいと言われ続けていたのに、入社した瞬間に違うといわれても戸惑うだけで、頭を切り替えるのは簡単ではありません。

Sさんの事例紹介/外資系メイクアップブランドB社

Sさんの事例紹介/外資系メイクアップブランドB社

Sさんは2年制のメイクアップスクールを卒業後、外資系メーカーに入社して、世界的に有名な化粧品ブランドBの美容部員になりました。メイクアップスクールでは、眉毛を描くというスキル一つとっても50時間以上練習するなど、基礎から難易度の高いスキルまでしっかりと習得していました。しかし、入社後の研修でトレーナーに言われたことは、「メイクアップスクールで身につけた癖を早く治しなさい」ということでした。ただ、高額な費用を払って、長い間正しいと信じて練習して習得した技術を捨てなければならないことに、かなり戸惑いながらも、一度身につけた癖を治すのにはとても苦労したそうです。

まとめ

これまでの話の流れから、未経験から美容部員になったほうが良いの?と思うかも知れませんが、未経験で飛び込むには、専門性が高く、入社後にかなり苦労することが予想されます。

別に専門学校やメイクアップスクールに通ってまで勉強する必要はありませんが、皮膚の構造やスキンケア、メイクアップ、化粧品の種類と効果効能といった基礎的知識は、転職活動前や転職活動中にオンラインスクールや検定試験棟でコツコツ勉強しておくと、入社後に行き詰まりを感じることも少なく、美容部員の仕事にスムーズに馴染んでいけるかも知れません。

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メイクアップアーティストの育成を目的とした検定試験なので、メイクアップアーティストやヘアメイクを志望する学生が多いです。また、シュウウエムラ、MAC、NARS、ジルスチュアート、アディクションなどのメイクアップ系ブランドを志望する専門学校生も授業の一環で取得しているケースが多いです。
出典:【美容部員の資格】JMA日本メイクアップ検定(一般社団法人JMA)を徹底分析

この記事をかいた人

2002年大学卒業後、インテリジェンス入社。人材派遣の営業を担当後、@cosmeを運営するアイスタイルに入社し、美容部員専門の求人サイトを立ち上げ、2015年アイスタイルキャリアを設立、代表取締役社長に就任。全国の美容専門学校や短大にて就職アドバイザー、化粧品検定顧問を務める。2018年に美容部員専門のオンラインスクールと人材紹介事業を行う株式会社タレンタップを創業。これまで就職・転職支援してきた美容部員は1000名を超える。コスメ検定1級、ほめる達人検定3級取得。