資生堂は、化粧品の国内シェア第1位、世界シェアでは第5位のグローバルに展開する日本の化粧品メーカーです。「世界で勝てる日本発のグローバルビューティーカンパニー」の実現に向けて、海外展開を加速させたり、グローバル経営体制を整えるなど成長を加速させる基盤を強化しています。
資生堂では「SHISEIDO(シセイドウ)」「cle de peau(クレ・ド・ポー)」「DOLCE&GABBANA(ドルチェ&ガッバーナ)」「bareMinerals(ベアミネラル)」「NARS(ナーズ)」などを代表に40以上のブランドを展開しています。
現在、資生堂は日本を代表する総合化粧品ブランドとして、全国の主要百貨店や化粧品専門店を中心にブランド展開し、美容部員を目指している学生なら誰もが知っているでしょう。
毎年100名以上の新卒社員を採用する資生堂の新卒採用HPやこれまでの内定者の体験談などから、資生堂が新卒採用で求める人材像や選考のポイント、面接官に刺さるであろう志望動機について、考察していきます。
資生堂の新卒採用の内定の秘訣
ビューティーツリーに投稿された学生の体験談を参考に、新卒採用で資生堂の美容部員に合格するためには、学生時代のアルバイトとしてカンガルースタッフを経験するか、冬から始まるインターンシップに参加することが重要です。
実際に資生堂の美容部員に内定をもらっている学生に聞くと、カンガルースタッフとインターンシップの両方経験している人も多く、資生堂を第一志望にしている人は必ずチェックしておきましょう。
インターンシップへの参加が内定の秘訣
毎年、資生堂では就職活動が始まる前年の12月頃に、インターンシップの募集が開始されます。表向きは採用とは一切関係がないとされていますが、それは建前の話で、実際には採用選考と密接に関係していると考えたほうがいいでしょう。
実際にインターンシップに参加すると、1月~3月の間で2~3回にかけて、グループディスカッションや現場で活躍する美容部員との面談など、資生堂を深くしることができるプログラムを受講します。インターンシップに参加しているのと、参加していないのとでは、資生堂に対する理解度は大きく変わってくるため、インターンシップに参加しているほうが有利だといえます。
■カンガルースタッフ経験者は有利
資生堂はカンガルースタッフ(資生堂内ではKSと呼ばれている)という採用の仕組みを構築しており、産休や育児等で時短社員の抜けた穴を埋めるために、夕方や土日に勤務できる学生を採用して、教育して店頭へ派遣しています。
カンガルースタッフでは、実際に資生堂の制服を着て、社員と同じように店頭で働くため(役割は大きく異なりますが)、美容部員の仕事とはどんな仕事なのか。やりがいや大変さ、他ブランドと資生堂の違いなど、すべてリアルに体験することができます。そのため、カンガルースタッフを経験していると、資生堂の新卒採用面接でも好印象になるケースが多く、志望動機にも深みが増して、面接では有利に働くことが多いでしょう。
資生堂の新卒採用の選考基準と対策
2019年3月1日にアップデートされた資生堂の新卒採用HPには、以下のようなメッセージが記載されています。
この伴走者というキーワードが重要です。本来の意味は、視覚障害のあるマラソンランナーに伴走する人のことを指しますが、ここではお客様の美しさを引き出すために人生をともに歩むような存在ということでしょう。
つまり、短期的なお付き合いではなく、人生に寄り添うような、お客様と長くお付き合いしていくというニュアンスを感じ取ることができます。どのような年代のお客様にも好かれて、円滑にコミュニケーションが取れる人材でなければなりません。
さらに、以下のメッセージも続いています。
つまり、あらゆる年代のお客様の悩みに対して、専門的な知識を持って解決していける力を高め続けていくプロ意識と向上心を求めていると捉えることができます。
学び続ける、技術を高め続ける向上心が大事だと言っていますので、学生時代に美容に限らず何か特定の分野で努力した経験や、知識や技術をどん欲に学び続けた経験があれば、それらをアピールできるといいでしょう。
そして、最後にこのようなメッセージで締めくくっています。
おもてなし、という言葉の通り、接遇スキルを磨き続けていくことが大事だと言っています。日本が世界に誇るおもてなしの心を、日本からグローバルに挑戦している資生堂という会社と重ね合わせていることが分かります。
当然、敬語やマナーといった表面的なことも面接では確認されると思いますが、どちらかというと、おもてなしの精神や相手を思いやる気持ちを持っている人なのかどうかを、相手の表情やしぐさ、服装、髪形、メイク、肌などあらゆる側面から見極めているのでしょう。
資生堂の新卒採用の選考基準まとめ
資生堂では『伴走者』『向上心』『おもてなしの心』の3つを満たす人材かどうかを選考基準として判断していることが分かります。
『伴走者』ならどの年代とも幅広くお付き合いができることをアピールするために、同年代との関わり合いだけでなく、祖母や両親、その他年代が異なる人との関わり合いのエピソードを用意しておきましょう。『向上心』は、学生時代のバイト、部活動、勉強などを通じて努力した経験を話せばいいでしょう。
最も難しいのが『おもてなしの心』です。なぜなら、これは一夜にして醸し出すことは難しく、日頃から他人に奉仕の気持ちをもって接していたかどうか、礼儀やマナーを自然に振舞えるように身につけたかどうか、これまでの人生の積み重ねが表情やしぐさ、態度になって表れてくるからです。
資生堂の選考を受けた学生の体験談
・小論文は、インターンシップに参加する時に毎回お題を出され提出しました。400文字くらいでした。
・カンガルースタッフをやっていると本当に有利です!美容部員になりたかったら、アルバイトはカンガルースタッフをやるべき!
・12月ぐらいに資生堂のインターンシップがあるからそれに参加すると、インターンシップ3回目に面談があって、よかったら最終選考に進めます
インターンシップでは、小論文があるようです。また、カンガルースタッフを経験していることが有利
だと明確に書いてありますね。
【選考形式】
・形式:個人面接
・時間:20分
・学生:1人
・面接官:2人
・服装:私服
【面接の雰囲気】
・優しい40代ぐらいの女性、笑顔で話を聞いて下さった。
・元美容部員だったみだいです。※質問は多めでした。
【質問内容】
・カンガルースタッフで大変だったこと
・尊敬する先輩はいる?またその理由は?
・どんな美容部員になりたいか
・初めから資生堂が好きだったのか?
・どこのチャネルに行っても大丈夫か?
・1人暮らしはできる?
・通勤時間はどれぐらいまで大丈夫?
・周りからどんな風に見られてる?
・肌荒れはしないか?
【ポイント】
・自分に似合う服と言われていたので私服で行ったらすごくほめてくださった!私服GOOD、ヘアアレGOOD!
・焦っても落ち着いて、自分の言いたいことをきちんと話すことが大事!
・笑顔でいることが大事。
・何で資生堂なのか、どこが魅力的なのか、どんな美容部員になりたいのか?これをきちんと言えたら大丈夫だと思います。
資生堂では美容部員の新卒採用面接は私服で参加することが多いようです。ただし、私服面接の場合「今日のテーマは?なぜそのテーマを選んだの?」と聞かれることが多いため、私服で参加する場合は、自分なりのテーマとそれを選んだ理由を明確にしておきましょう。
【選考形式】
・形式:個人面接
・時間:30分
・面接官:2人
・服装:スーツ
【面接の雰囲気】
・面接官の年齢は40~50代の女性で、面接官との距離がとても近く、和やかな雰囲気でした。
・最終選考を受ける学生が8人くらいいました。
【質問内容】
・自己紹介
・内定をもらっている企業名
・これから企業選びをするにあたって重要にしている軸
・いくつか内定をもらっていたら、その中でどういうところをポイントにして選ぶか
・販売のアルバイト経験はあるか
・インターンシップはどの会社で経験したか
・資生堂の注目している商品は?
・通勤には1~1時間半くらいかかるかもしれないが大丈夫か
・面接後に勤務地の確認をして終了
20年卒の資生堂の最終面接では、学生の資質を見るような質問よりは、志望度を重点的に確認していることが分かります。おそらく、最終面接に進んでいる時点で、人物的な評価は済んでいるので、入社意欲の高い人かどうかを詳しく判断しているのではないかと思います。
ここではしっかりと資生堂が第一志望だとアピールすることが大事です。また、志望度の確認とは言え、人物評価で落とされる可能性も消えていませんので、終始笑顔で会話を楽しむことを忘れないようにしましょう。
おわりに
資生堂の選考基準
『伴走者』『向上心』『おもてなしの心』の3つを満たす人材かどうかを選考基準としているため、自己PRはこの3つの能力につながる強みとエピソードを整理しておくといいでしょう。
また、祖母~母~私というように何世代にもわたって愛用してもらえるブランドを目指しているため、面接では祖母や母、年の離れた親せきなど、世代を超えた関わり合いのエピソードがあるならしっかりとアピールしましょう。
資生堂の内定者や選考を受けた学生の体験談
資生堂を第一志望とする学生は、インターンシップかカンガルースタッフのどちらかを経験するようにしましょう。また、面接では『なぜ資生堂なのか』『どんな美容部員になりたいのか』といった志望動機は必ず聞かれるようなので、しっかりと対策しておきましょう。
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