【ブライダル業界研究⑤】就活対策|写真・映像の仕事内容とその適性は?

ブライダル関連の職種は、ウェディングプランナー・衣裳スタイリスト・アテンド・バンケットスタッフ・フラワーコーディネーター・フォトグラファー・ヘアメイク・引き出物関連など様々で、その所属によっても仕事内容は異なります。

ブライダル業界に興味があり、就職を考えている方へ、元ウェディングプランナーがその職種と仕事内容を具体的にお伝えします!

ブライダル業界でフォトグラファー・ビデオグラファーになるためには

広く使われるカメラマンという呼び方も、最近ではフォトグラファー(写真)やビデオグラファー(映像)と呼ぶのが一般的です。
専門学校などもありますが、未経験であっても写真や映像を撮ることが好きであれば特別な資格は必要とされていません。
しかし、普段から一眼レフカメラなどの機器に触れ、求められた時には自分の作品を見せられる方が望ましいでしょう。
映像制作に関しては経験が無くても入社してから教えてもらえますが、最近では手軽な映像編集ソフトなどもあるので、編集作業を体験してみることで仕事のイメージがしやすいと思います。

ブライダル業界で写真や映像関連の仕事を希望する場合、就職先は衣裳・フラワー・ヘアメイク同様、プロデュース会社運営の結婚式場や専門式場・ホテル併設の写真室、前撮りやフォトウェディングを専門としたフォトスタジオ、ブライダルに特化したフォトグラファー事務所の会社などがあります。
有名になると独立して仕事を得られるようになる人もいますが、まずは会社に所属して十分な経験を積み、指名の予約が取れないほどの人気を得る必要があります。
人気フォトグラファーともなれば、一件10万円以上の仕事や海外でのロケーション撮影を依頼されるなど、夢のある仕事です。

ブライダル業界のフォトグラファー・ビデオグラファーの仕事

事前にお客様である新郎新婦と打ち合わせをすることもあります。
打ち合わせがない場合も、柔らかい雰囲気が好きなのか、はっきりとした雰囲気が好きなのか、絶対に撮ってほしいポイントなどはあるか、お客様の好みやこだわりをヒアリングしておくことはとても大切です。

そして上手に作品を撮ることももちろんですが、撮影者として重要な仕事は、新郎新婦をリラックスさせ、いい写真を撮るための空気作りです。
写真を撮られ慣れていない一般の人の多くは、カメラの前で自然体に振る舞うこと自体が難しく、緊張しています。
普段着ない衣裳を着て、結婚式という特別なイベントで、新郎新婦の良い表情を引き出すために、カメラマンが全力を尽くすのです。
とにかく明るく笑わせてくれる人、空気に溶け込んだ様に自然体な人、カメラマンによってその存在感は様々ですが、いずれも接客業であるということです。
風景や物を撮る芸術の要素が強い写真家と、一般のお客様を撮るカメラマンとの大きな違いであり、ただ静かに写真の世界と向き合っていたいという、写真や映像が好きという気持ちだけでは務まらないのがブライダルの仕事です。

他に、人が被写体となる仕事にはファッションや企業広告などもありますが、その中でもブライダルは長時間に渡って、ほとんど気の抜けない現場であると言えます。
30分間の挙式だけでも、ベールダウン、入場、誓いの言葉、指輪交換、誓いのキス、退場まで、新郎新婦の一挙一動を撮り逃すことなく、親族やゲストの表情も逃さず、邪魔にならない様に会場内を動き回るのです。
もちろん、その前には会場内の装飾、ウェルカムボードやリングピローの物撮り、新郎新婦のお支度シーンやゲストの到着シーンなど、一人で行わなければならない場合は駆け回る様に撮影してまわります。
披露宴の3時間も同様、スタート前から招待客のお見送りまで、休むことはできません。
1組の結婚式で撮る写真の枚数は500~1000枚近くになると言われ、それらを厳選、編集してお客様に納品します。
中には、アルバム冊子のレイアウトまでをフォトグラファーが行う会社もあります。
映像も同様、撮影から編集までを一貫して担当者が制作する会社と、撮影と編集を分業する制作会社が存在します。

ブライダル業界のフォトグラファー・ビデオグラファーの大変なところ

最近だと、花嫁様の中には撮ってほしい場面やポージングなどを細かく指定した撮影指示書を用意される方もいます。
SNSを通じて、他人の写真や映像作品を一般に見ることができる様になったことや、誰もがハイスペックなスマホカメラや加工アプリを身近に使用できることで目が肥えているため、期待値が底上げされた時代です。
その場所、人、天気、機材などの状況で奇跡的に生まれた瞬間を、全く異なる条件で再現するのは至難の業で、分刻みの動きの中、その1カットのためだけの時間をとれないこともあります。

また、写真や映像は制作側がよくできた、と思ったとしてもお客様の理想とは違ってしまうことがあります。
そうなってしまった時に、ウェディングに関しては撮り直すことができないのが難しいところです。
プロとして新郎新婦の良さを引き出し、他人の真似ではない最高の瞬間を作品に残しつつ、お客さまの好みや感性にも寄り添いながら要望にも答えるスキルが求められる時代になっています。

ブライダル業界のフォトグラファー・ビデオグラファーのやりがい

お客様にとって、一生モノとなる瞬間を残せる仕事です。
世の中に溢れる写真や映像の中には、多くの人に見てもらえる一方で、消費され、忘れ去られてしまうものもあるかもしれません。
しかし結婚式の写真は、新郎新婦とその家族にとって、宝物となって残り続けるのです。

そして幸せを分けてもらえる現場であるということです。
お客様の最高の笑顔を撮り、ありがとうと言って頂ける、ここまで幸せを感じられる仕事はそう多くありません。
喜びに涙を流すほど心を震わせる瞬間があり、そこに立ち会える感動は何度味わっても薄れることはないと感じます。

ブライダル業界のフォトグラファー・ビデオグラファーに向いている人

その場の空気に馴染める柔軟性がある人。
初対面であったとしても、まずは新郎新婦と仲良くならなければいい表情を撮ることができません。
他にもご両親やノリノリの新郎友人、時には会場のスタッフの方々の懐に入れる様な社交性が求められます。

段取りを把握し、テキパキと動ける人。
結婚式や披露宴には分刻みで予定されている進行表というものが存在します。
逃してはならないシーンを確実に押さえるためには、しっかりと頭に入れておかなければ失敗します。
しかし、その段取りの通りにならないことも多々あるので、何が起こるかわからないドラマチックな状況で、臨機応変に対応することも必要です。

体力がある人。
男女問わず活躍が期待できる仕事ですが、会場内を駆け回りながら、重い機材を扱うため、体力に自信がなければ難しい仕事です。