ブライダル関連の職種は、ウェディングプランナー・衣裳スタイリスト・アテンド・バンケットスタッフ・フラワーコーディネーター・カメラマン・ヘアメイク・引き出物関連など様々で、その所属によっても仕事内容は異なります。
ブライダル業界に興味があり、就職を考えている方へ、元ウェディングプランナーがその職種と仕事内容を具体的にお伝えします!
ブライダル業界でヘアメイクになるためには
人の髪や顔に触れるブライダルヘアメイクの求人では美容師免許が必須となることがほとんどです。
美容師免許は指定専門学校で2年間、もしくは通信制のスクーリングを3年経て、受験できる国家資格の免許です。
ヘアアレンジやメイクアップなどに関する専門的な知識と技術が必要であるため、美容師免許取得と同時に、着付け、メイクアップ、ネイル検定などの資格も所持している人も多くいます。
主な勤務先は、衣裳やフラワー同様、結婚式場併設のサロンやホテル内美容室としてのテナント入り、路面店でサロンを構えるヘアメイク事務所やなどが挙げられます。
経験を積み個人的に仕事の依頼を得られる様になれば、フリーランスとして独立することも可能です。
他にも結婚式当日の支度ではなく、前撮りなどのウェディングフォトを専門にしたフォトスタジオなどでも求人があります。
ブライダル業界のヘアメイクの仕事内容
ブライダルの仕事全般に言えることですが、主役となる花嫁を一番に輝かせる、裏方としての細やかな気遣いが求められます。
結婚式当日を迎える3~1ヶ月前程になると多くの花嫁はリハーサルメイクという追加オプションを申し込んで行います。
当日着る衣裳に合うよう、髪型とメイクを花嫁と相談しながら実際に施すものです。
希望された髪型に仕上げるための技術力はもちろん、イメージができていない花嫁には髪飾りと合わせて似合う髪型の提案力が求められます。
こちらが似合うと思って提案しても、相手の好みではないこともあるので、何よりも持ち物や選ばれた衣裳・小物などから花嫁の好みを汲み取る力が一番求められるとも言えます。
決められた時間の中で、ウェディングドレス・カラードレス・和装それぞれで花嫁が納得したスタイリングに仕上げることは、簡単なことではありません。
結婚式当日には、リハーサルと同じものを再現する技術も求められます。
特にお色直しに与えられる時間は20分前後と本当に限られた時間のなかで完璧を求められるプレッシャーがあります。
加えて、緊張している新郎新婦を和ませることがとても大切なので、自分の技術力に不安があったら務まりません。
というのも、現場によっては、メイク・ヘアセット・お着付け・アテンドと、重要な場面をずっと新郎新婦の側で過ごすことにもなるとても近い存在なのです。
緊張と慣れない衣裳で体調を崩す花嫁もいるので、そんな少しの顔色の変化にも素早く気が付く必要があったり、式や披露宴の進行が分刻みのスケジュールの中でとっさの判断ができなければなりません。
アテンドの細かい気遣いは、ドレスの長い裾を整えたり、涙がこぼれそうなタイミングでハンカチを渡したり、常に気を抜けない責任のある仕事です。
ブライダル業界のヘアメイクの大変なところ
ヘアメイクを美しく仕上げるというのは大前提ですが、自分としてはうまく仕上げたつもりでも新婦様が心から納得されていなければ意味がありません。
万が一気に入っていなくても、はっきりと「気に入らない」と言える人は少なく、後日クレームを言うお客様もいます。
正直、後になってできることは少なく、その場で教えて欲しかった…と思うかもしれませんが、心を開いていただけるだけの信頼を得られなかったと反省するしかありません。
思っていることを言葉にするのが苦手な方の他にも、自分で決めることが苦手で優柔不断な方、こだわりが強く何度もリハーサルメイクをされる方もいます。
例え自分とは好みが合わないと感じたとしても、様々なお客様の満足を得るために尽力する仕事です。
お客様の心を掴むには、丁寧なカウンセリングの上での確かな技術、センスある提案力、安心できる人柄の一つも欠かすことはできないのです。
ブライダルヘアメイクに必要なスキルは、どれを取っても初めから得られるものではなく、全て経験を通して身についていくものです。
そのため、下積みの長さも大変と感じる人は多いでしょう。
いきなり花嫁の担当を持つことはほとんどなく、まずはご親族など列席者のヘアメイクなどから担当していくことになります。
また、ドレスの着付けはコツを掴めばできる様になりますが、和装の着付けは習得までに時間がかかります。
和装の着付け師の中でも花嫁衣装の着付けができる人はごく一部で、ベテランの着付け師の仕事になります。
ブライダル業界のヘアメイクのやりがい
人の人生の節目に立ち会える仕事です。
お母様のヘアセットをしながら話をしていると、どれだけ娘を大切に思っているか、伝わってくることがあります。
自分自身は親族でも友達でもないけれど、担当した人たちの結婚式では心が震えるほどです。
そして、自分の手で最高に美しく仕上がった花嫁を見ることができるのは、これ以上無い喜びであり、数あるブライダル業界の仕事の中でも最も花嫁に近い存在であると感じます。
また、自分自身の技術力を磨き続けることができるのもヘアメイクの仕事のやりがいにもなります。
家族や友人のハレの日にはそれが生かされることも、この仕事の魅力です。
ブライダル業界のヘアメイクに向いている人
根気がある人。
下積みとは別に、一人前になっても、自分の提案とお客様の好みが合致するまで何度も作品を作り直したりします。
また、衣裳の形、素材、小物、髪質、骨格によって似合うスタイルなど、提案できる自分の引き出しを増やすための努力も欠かせません。
細かな気遣いができる人。
新郎新婦だけでなく、プランナーやスタイリスト、介添えさんや会場のキャプテンなど、各セクションの人と協力しなければ結婚式は成功しません。
また花嫁のお着替えの手伝いという業務上、仕事を教わる先輩方は確実に女性なので、様々な場面での気遣いが必要になると考えられます。