美容クリニックの受付カウンセラーの面接で必ず聞かれる質問5選と回答例

近年、医療脱毛や切らない美容施術が注目され、美容クリニックを利用する人が年々増えています。

それに伴い、クリニックで働くスタッフの需要も高まっており、特に受付カウンセラーは「クリニックの顔」として人気の高い職種となっています。

本記事では、そんな受付カウンセラーの採用面接でよく聞かれる代表的な質問をご紹介します。

新卒・中途を問わず、これから美容クリニックの面接に臨む方は、ぜひ事前準備の参考にしてください。

 

①なぜ美容医療を志望するのですか?

世の中にたくさんの業種がある中で、なぜ「美容医療」を選んだのか。この質問は頻出中の頻出質問であり、どの面接でも確実に聞かれます。

この質問で面接官が求めていること

面接官は、あなたが美容医療の本質的な価値や魅力を理解しているかを確認しています。

「美容が好き」「待遇が良さそう」といった表面的な志望理由ではなく、実体験に基づく動機や価値観が語れるかどうかが重要です。

美容医療を通じて「どんな人に、どんな価値を届けたいのか」を、自分の体験を交えて伝えられると、説得力が高まります。

<回答例>

私は患者さんの抱える悩みを確実に解決できる美容医療の素晴らしさに魅力を感じ、志望しています。以前から私は自分の顔にコンプレックスがあり、どうにか克服したいと思ってメイクを独学で勉強し、コンプレックスを改善できるメイクの方法を学ぶことができました。それ以来、自分に自信が持てるようになり、カメラに映ることも楽しくなり、人生がとても豊かになりました。
就職活動する中で、美容医療業界にはコンプレックスを根本から解決できる素晴らしい力があることを初めて知り、とても興味を持ちました。自分自身がコンプレックスに悩まされた経験があるからこそ、美容医療の存在をもっと早く知っていれば、私の人生をより前向きになっていたと思います。私は美容医療業界で働くことを通じて、私のようにコンプレックスに悩む多くの人に、美容医療の持つ素晴らしさを伝えて、より前向きな人生に変えるきっかけを届けていきたいと考えています。

 

② 美容クリニックに就職することに対してご両親はどう思っていますか?(新卒の場合)

近年は美容医療に対する理解が広まっていますが、ご両親世代の中には「整形=悪いこと」という固定観念を持つ方も少なくありません。

そのため企業側は、内定後に家族の反対で辞退されたり、入社後に不安を抱えたまま働くことを避けたいと考えています。

この質問では、家族の理解や応援を得た上で、美容医療業界で前向きに働けるかを確認しています。
そのような背景から、新卒や第二新卒の面接では、この質問が頻出しています。

この質問で面接官が求めていること

面接官が確認したいのは、美容医療業界を目指すことに対して、ご両親の理解や応援が得られているかです。特に新卒の場合、家族のサポートがあるかどうかは、入社後に長く働けるかを判断するポイントになります。そのため、「応援してくれている」「理解してくれている」といった言葉で、前向きな家庭の理解があることを伝えましょう。

加えて、自分がなぜこの業界に興味を持ったのか、その価値をどう捉えているかを伝えることで、より説得力が増します。

<回答例>

「はい、両親には美容医療業界を志望していることを話しました。母は、美容クリニックを利用したことがあり、私が興味を持っていることをとてもよく理解してくれました。父は普段から私が決めたことには反対せず、応援してくれるので、今回もお前が決めたことだったら頑張れ!と言ってくれました。」

「はい、両親には美容医療業界を志望していることを話しました。父も母も美容医療のことをあまり詳しく知らないようでしたが、私が説明するととても興味を持って聞いてくれました。父も母も自分達の時代とは価値観が変わってきているし、あなたがやりたいと思うことならチャレンジしてみたらいい、と言ってくれました。」

 

③入社後に覚えることがたくさんありますが大丈夫ですか?

美容クリニックの受付カウンセラーには、美容だけでなく医療に関する知識も求められます。美容には興味があっても、医療の内容には苦手意識を持つ方も少なくありません。

そのため、興味が薄い分野でもコツコツ勉強できるかどうかは、面接で必ず確認されるポイントです。勉強が苦手な人や、「興味のあることだけやりたい」という人は、入社後に挫折するケースがあるため注意が必要です。

この質問で面接官が求めていること

面接官は、勉強に前向きに取り組めるか・努力を継続できる人かを見ています。そのため、過去に資格取得や学校での勉強などで、「地道な努力ができた経験」を交えてアピールしましょう。

<回答例>

「はい、大丈夫です。私は大学時代に日本化粧品検定1級を取得しました。日本化粧品検定1級は、スキンケアやメイクの基礎知識に加えて、皮膚の構造、化粧品の歴史や原料、香料、薬事法などの関連法規まで勉強する必要がありました。試験内容には馴染みがなく、なかなか興味が持てない分野もありましたが、どこかで必ず役に立つと前向きに捉えて、約半年間かけて毎日1時間ずつ勉強し、1回で合格することができました。この経験から、御院に入職したら、美容と医療の知識を身につけ、専門的なアドバイスができるカウンセラーになれるように取り組みたいと思います。」

 

「はい、頑張って取り組みたいと思います。私が通う美容専門学校では、1年間に5つの資格を取得する必要があり、興味が持てるものもあれば、なかなか興味が持てない内容の資格もありました。しかし、美容の専門的な知識を身につけるために入学したことを踏まえて、5つの資格取得に向けて努力し、全ての資格を取得することができました。そのため、御院に入職してもしっかりと勉強し、必要な知識をしっかり学びたいと思います。」

 

④苦手なタイプの人にはどのように対応しますか?

受付カウンセラーは、さまざまな性格や価値観を持つ患者さんと接する仕事です。もちろん、自分と合う人だけでなく、苦手だと感じるタイプの方とも向き合う場面があります。

この質問では、苦手な人に対してどう向き合ってきたかを通じて、人間関係を柔軟に築けるかどうかが見られています。

この質問で面接官が求めていること

理想は「苦手なタイプはいません」と答えることですが、もし苦手な人がいたとしても、相手を尊重し、丁寧に接する姿勢があるかが大切です。

過去に、苦手意識を持ちながらも工夫して良い関係を築いた経験があれば、ぜひエピソードとして伝えましょう。あなたの対人スキルや柔軟さ、思いやりをアピールできる場面です。

<理想的な回答>

「私は何事も前向きに考えることを大切にしているので、ネガティブな考えや発想の人はあまり得意ではありません。ただ、ネガティブな発言をされる方は、根本からネガティブなのではなく、物事をプラスの面だけでなくマイナスの面も慎重に考えてのネガティブな発言だと思っておりますので、決して得意ではありませんが、私にはない発想だからこそ、貴重な意見として受け止めるようにしています。」

 

⑤当院を志望する理由を教えてください

どの面接でも最後に必ず聞かれるのが、「なぜ当クリニックなのか」という志望動機です。

この質問で面接官が求めていること

面接官は、応募者が本当にこのクリニックで働きたいと思っているのか、また、事前にしっかり情報収集をしているかを見ています。そのため、「他のクリニックではなく、なぜこのクリニックを選んだのか」について、具体的な理由を交えて伝えることが重要です。

特に、他クリニックとの具体的な違いや、志望するクリニックにしかないこだわりや特徴をしっかり調べておくことが大切です。

公式サイトやSNS、実際に訪れた時の印象などをもとに、「共感したポイント」「惹かれた取り組み」などを整理し、自分の想いとリンクさせて話せるように準備しましょう。

<理想的な回答>

私は御院の美容医療に、サービス業の考え方を取り入れている点に大きな魅力を感じております。患者さま一人ひとりに寄り添うカウンセラーとして働きたいと考え、御院を志望いたします。
学生時代に販売のアルバイトをしていた際には、「お客様を家族のように思う接客」を指導されました。家族に不要なものを買わせないのと同様に、お客様にとって本当に必要なものは何かを常に考え、提案することを心がけておりました。その結果、その場でご購入いただけなくても、後日再びご来店くださる方が多く、長期的にお客様の信頼と売上の双方を高めることができたと感じています。
この経験を通じて、サービス業の精神を大切にする御院で、患者さまの悩みに真摯に寄り添い、本当に必要なご提案をすることで、患者さまとクリニック双方から信頼されるカウンセラーになりたいと強く願い、御院を志望いたします。

 

まとめ

美容クリニックの受付カウンセラーは高待遇で、カウンセリングやオフィス業務を経験できる人気職種です。

採用倍率が高いため、志望動機や学習意欲、対人スキル、ご両親の理解、そして志望クリニックの特徴や強みをしっかり理解していることが求められます。

自己分析を徹底し、自分の経験や想いを具体的に伝え、面接官のニーズに応える回答を準備しましょう。

美容医療の価値を理解し、クリニックの理念に共感することが合格のカギとなります。

この記事をかいた人

大学卒業後、大手人材会社パーソルキャリア入社。その後、@cosmeを運営するアイスタイルに入社、人事部、社長室、メディア事業部、子会社社長を経て、2018年に美容業界専門の新卒対策メディアを運営する「ビューティーツリー」を創業。