こんにちは。ビューティーツリー編集長の辻堂です。
2020年新卒採用も本格化してまいりました。私は全国の美容専門学校を訪問して、学生さんの就職活動のアドバイスを行っています。この経験を通じて、美容専門学校生が美容部員の就活に勝ち抜くヒケツをお伝えします。
専門学校生が就活を勝ち抜くために必要なこと
今や、美容部員という職種には、美容系の専門学校生が目指すだけでなく、短大生や四大生も受験しています。専門的な技術や知識では美容専門学校生の方が圧倒的に有利ですが、就職活動は技術や知識の量だけでは決まりません。なぜなら、美容部員という仕事は、化粧品を売ることが目的で、売るためには技術や知識は必要だけど、それ以外にも人間性やコミュニケーションスキルなども必要になります。
だから、面接を通じて、総合的に判断されます。面接では、どれだけ頭の中にいいものがあったとしても、緊張する場面でしっかりと自分の考えを整理して相手に伝えなければなりません。
これは、論理的に伝えるスキルも必要ですが、同時に、面接という緊張する場でも落ち着いて話すことができる場慣れが必要です。そして、専門学校生こそ、この場慣れが必要だと思っています。
なぜ専門学校生には場慣れが必要なのか
一般的に就職活動を通じて、美容専門学校生がエントリーする社数は、だいたい5社程度です。いっぽう、短大や四年制の大学生は10社以上が普通です。つまり、美容専門学校生は短大生や四大生に比べて、受験する者数は半分以下ということです。当然、面接の回数も半分以下になります。
そのため、競合(短大生や四大生)に比べて、圧倒的に面接経験が少なく、場慣れできていないケースがほとんどです。これが、専門学校生の致命的な弱みになります。
じゃ、どうすればいいのでしょうか。
勝ち抜くヒケツ①たくさんの会社へ応募しよう
美容専門学校やメイクアップスクールの学生は、ブランドに対する強いこだわりを持っている方がいます。こだわりを持つことは、それだけ想いがあるので、素晴らしいことですが、極端にこだわりが強すぎると、就職活動では邪魔な存在になってしまいます。
よくあるのは、憧れのブランドAとBしか応募しないというケースです。特に、ジルスチュアートやMAC(マック)、YSL(イヴサンローラン)といったブランドによく見られます。
その方にとって本当にそのブランドがマッチしていて、かつ1社だけ受けて無事受かればいいのですが、世の中そんなにスムーズにいくことはありません。そもそも、ブランドで働くことは、外から見るのと実際に中に入って働くのとではかなりギャップがあり、憧れを抱いている時点で、盲目的にそのブランドを見ている可能性があります。
都内の美容専門学校に通う生徒に就活アドバイスをしていた時に、先ほど挙げたブランドの一つに4人の学生が内定を獲得して入社しましたが、憧れと現実とのGAPがかなり大きかったようで、4人とも半年以内に退職してしまいました。配属現場は戦場のようなもので、時間外や休日返上してトレーニングしなければついていけないハードな職場についていけなかったようです。
憧れは大事です。でも、憧れだけで乗り切れるほど、美容部員の仕事は単純ではないようです。特定のブランドへ憧れを持っている人は、憧れは持ちつつ、その他の色々なブランドにエントリーしてみましょう。
勝ち抜くヒケツ②エントリーシートはラブレターを書くのと同じ
就職活動の第一関門は、エントリーシートです。エントリーシートを突破する秘訣をご紹介します。新卒採用を行っている化粧品会社には、リクナビとかマイナビ経由で毎日たくさんのエントリーシートが届きます。人気ブランドにもなれば、1000名以上の学生からエントリーシートが届きます。
もし仮に、あなたの自宅に1000通のラブレターが届いたら、どうしますか?恐らく、すべての方を会うことはできないので、ラブレターに目を通して、なんらかの方法であり/なしに仕分けると思います。つまり、限られた自分の時間を使うべき相手かどうかを選別するかと思います。
たとえば、東京に住んでいるから、遠距離恋愛は嫌だなあということで、東京、千葉、埼玉、神奈川の一都四県に絞ろう。そして、できれば自分と同じ年代の人がいいから、20歳前後の人にしよう。そんな感じで、最初は具体的な条件で絞り込んでいくと思います。
ある程度まで絞り込めたとして、会う時間を考えると、あと半分にしなければならないとなった場合、もう条件で絞り込めなかったらどうしますか?汚い殴り書きの字と、キレイで丁寧な字では、どちらを選びますか?普通に考えれば、キレイで丁寧な字のラブレターではないでしょうか。
就職活動のエントリーシートもまったく同じです。たくさんの応募があれば、学歴、年齢、スキルといった具体的な条件で絞り込みます。その先は、ちゃんと当社のことを調べて書いているか。どのブランドでも通用するありきたりな内容になっていないか。誤字脱字がなく、丁寧に書いているか(WEBエントリーシートでも同じ)。
そうやって、この学生は当社のことをしっかりと見てくれているとか、単なる憧れではなく本気でエントリーしてくれているって判断しています。相手にラブレターを読んでもらうためには、相手のことをしっかりと見て、興味を持っていることを伝えなければならないように、エントリーシートを書く時も、会社のことをしっかり調べて、なぜ興味を持ったのかを文章にして丁寧に伝えましょう。
勝ち抜くヒケツ③面接前には必ず店頭に足を運ぼう!
新卒採用面接でかなりの確率で聞かれる質問には、以下のものがあります。
人事採用担当者としては、応募してくるくらいだから「当然店頭には行ったことあるでしょ?」「将来、販売することになるかも知れないんだから商品は使ったことあるでしょ?」という気持ちです。そんな気持ちで質問したら、「いやーまだ行ったことはありません」「商品は使ったことがありません」となると、「えっ?じゃ、なんでうちなの?」ってことで、完全にシラケてしまいます。
ブランドによっては高価なので、商品体験できないというケースもありますが、店頭に行くことはできます。また、どんな接客をしているのか観察したり、体験することはできるはずです。
なので、面接日程が決まったら、事前に必ず店頭へ足を運びましょう。そして、接客を見てどう感じたのか、自分なりのコトバで感想をまとめておきましょう。
勝ち抜くヒケツ④面接ロープレは徹底的にやっておく
専門学校生にとって最も苦手なことは「面接」です。志望動機をしっかりまとめました。自己分析もちゃんとやって、PRすることをまとめました。さあ、いざ面接へとなると、緊張のあまり、ガチガチになって思い通りに話せませんでした、というのはよくあること。
どれだけブランドへの強い想いがあっても、素晴らしい自己PRや志望動機があっても、相手に伝えることができなければ、何の意味もありません。でも、この面接対策をしっかりとする人は意外と少ないです。
「1社に絞らず複数の会社へ応募しよう」と書きましたが、これには、面接対策の意味も含めています。つまり、たくさんの会社を受けることで、必然的に面接の機会が増えるので、それによって面接慣れをするのが大事です。ちなみに、専門学校生のライバルとなるのは、短大生や四大生です。彼らは平均10社~15社くらいエントリーするので、面接を受ける回数も多く、それだけ面接慣れをします。
そんな面接慣れをした大学生と専門学校生が、同じテーブルについたら、どちらが魅力的に見えるでしょうか。ブランドに強い想いを持つことは重要です。でも、その想いを相手に的確に伝えることは、それと同じくらい重要です。
面接はとても緊張します。できることなら回避したくなるでしょう。面接練習するだけでも、恥ずかしくって、あまりやりたくないと思います。でも、これを乗り越えないと、面接はそう簡単にはクリアできません。恥ずかしさをすてて、落ちても気にしないくらいの気持ちで、たくさん面接対策やって、たくさん面接に挑んで、相手に伝えるトレーニングに取り組んでみましょう。
元採用担当者に面接対策してほしい、と思う学生さんは、ビューティーツリーの公式LINEから面接相談をご利用ください。
「接客を受けてみてどう感じましたか?」
は必ずと言っていいほど聞かれます。