美容部員を志望する学生や転職希望者にとって、エントリーシートや履歴書、WEBのエントリーフォームの志望動機に何を書いたらよいか…悩む人も多いのではないでしょうか。
今回は、志望動機の書くコツと実際に内定を獲得した先輩の事例集を紹介します。
志望動機とは何か
志望動機とは、応募先の会社やブランドになぜ入社したいのか、その理由のことです。だから、応募先ブランドの魅力をつらつらと書いたものは、志望動機ではありません。
「●●になりたい」「●●がしたい」といったように、入社したいという思いを引き起こした理由が志望動機です。
仮に皆さんが面接官だったら、以下のAさんとBさんのどちらを採用しますか?
Aさん
先日接客を受けて、御社のアイテムがとても好きで、美容部員さんも魅力的なので志望しました。
Bさん
御社の商品はずっと愛用しているのですが、店頭に行くと美容部員さんがいつも笑顔で迎えてくれて、すごく元気をもらっています。好きな美容を仕事にしたいと思っていましたが、御社の美容部員さんのように人に元気を与えられる存在になりたいと思うようになり、御社を志望しました。
いかがでしょうか。
私が面接官なら、Bさんの方が「どうなりたいか」がハッキリイメージできているので、聞いていて納得できます。志望動機を考える際は、入社後の自分の「●●になりたい」「●●がしたい」を考えてみましょう。
志望動機を書くコツ
志望動機を書くコツは以下の2つです。
1.エピソードを入れること
以下の志望動機を見て、どちらの方が納得感がありますか?
Aさん
コスメが大好きで、御社ブランドもずっとファンなんです。だから応募しました。
Bさん
はじめて化粧品カウンターに行った際、「強引に売られるのでは」と不安になっていた私に、御社の美容部員は「この商品だけでも十分効果が出ると思うので他の商品は必要ないですね」と言って、私に本当に必要な商品だけを提案してくれました。それ以来、「強引に売られるのではないか」という不安は一切なくなりました。私は御社の「売らない勇気を持つ」という考え方にとても共感しており、御社の美容部員になって、本当にお客様が必要とするものをしっかりご提案できる美容部員になりたいです。
こちらはいかがでしょうか?おそらく、Bさんの方ですよね?
Bさんは、具体的なエピソードがあるから、読み手はイメージしやすくなり、納得感が高まります。どんなものでも構いませんので、応募先のブランドのファンになった瞬間のエピソードを必ず書きましょう。
2.具体性(細部)にこだわること
以下の文章を見て、どちらの方がイメージしやすいですか?
Aさん
昔、御社の店舗を訪問した時に、美容部員さんがとても丁寧に接客してくれて嬉しかったです。
Bさん
高校3年生の夏に、新宿伊勢丹の御社店舗を訪問した際に、美容部員の●●さんに接客してもらい、高校生で緊張していた私に「買わなくても大丈夫だからね」と優しく声をかけてくれたことが嬉しくて、それ以来御社のブランドのファンになりました。
Aさんはとても漠然としていますが、Bさんはすごく具体的で、話を聞いている面接官はその当時のシーンをイメージしやすいですよね?
面接官がイメージしやすい方が、納得感が高まりますので、志望動機を書くときは「具体性」にこだわりましょう。
美容部員の志望動機の事例集
ここからは、過去に内定を獲得した先輩の志望動機を紹介します。
アーティストブランドの志望動機
「私は将来、メイクアップを通じて身近な人や自分に自信が持てない多くの女性を元気にしてあげられるような人間になりたい。そのためには、御社のようにメイクアップで人の魅力を引き出すブランドで働いて、メイクの技術でファンづくりができるスキルを身につけたいと考えています。」
「私にとってのメイクとは人の欠点を隠すものではなく、魅力を引き出すものだと考えています。だから、若い方から年齢を重ねられた方まで、お客様それぞれの魅力を引き出せるような美容部員になりたい。御社のブランドのコンセプトは人が本来持つ魅力を引き出すことを掲げているので、大変共感しました。」
「私は、常にお客様を笑顔でお迎えして、多くの女性をイキイキとした表情に変える美容部員になりたいです。御社の美容部員は、いつも明るく、とても元気で、入店した際は素敵な笑顔で迎えてくれるので、***の店舗に行くと嬉しい気持ちになります。混雑している時に多少待たされたとしても、***の美容部員さんの笑顔を見ると、嫌な気分になることもなく、気持ちが晴れます。これからインターネットで化粧品を購入することが当たり前になっていく中、わざわざ店頭に足を運んで化粧品を買うお客様は、プロの専門的な知識や技術以上に、常に素敵な笑顔で迎えてくれることを期待するのではないかと思います。私も***の美容部員になって、常に笑顔でお迎えすることで、お客様をイキイキとした表情に変えていきたいと思っています。」
国内大手ブランドの志望動機
「私は美容を通じてお客様とお客様の周りの人に笑顔を生み出す仕事がしたいと考え志望します。大学時代、ニキビに悩んだ経験からスキンケアに興味を持ちました。接客をしてくれた美容部員からクレンジングの重要さを教えてもらいスキンケアを変えたところ、ニキビが気にならなくなりました。あまりの嬉しさに母にその話をすると、年齢を理由に綺麗になろうとすることを諦めていた母が、私の話をきっかけに丁寧にケアを行うようになりました。肌が徐々に綺麗になるにつれ、母はイキイキとした表情に変わっていくのがわかりました。美容は人に自信を与え、その自信は人に笑顔を生み出し、その笑顔はさらに周りの人を笑顔にしていくと思います。私はこの経験を通じて、美容でお客様に自信を与え、笑顔を生み出し、お客様の周りの方まで幸せにしたいと考えています。」
「私は将来、美容のあらゆる悩みを解決できる知識と技術を身につけたいと考えています。そのためにも、御社のようにスキンケアだけでなく、メイクアップ、ヘアケア、サプリメントまで美容をトータルで扱うメーカーでお客様のために仕事がしたいと考えて、御社を志望します。」
スキンケアブランドの志望動機
「肌診断を根拠とした1人ひとりに合わせた明確なご提案ができ、形に残る接客ができることが御社を志望する理由です。それは私がお客様に思い出していただける仕事がしたいと思っているからです。私がデパートで初めて接客を受けたブランドが***でした。最初は何か買わなければいけないという緊張感を持っていましたが、肌診断で自分の肌の状況をわかりやすく説明して頂き、様々な種類の商品からどれが私の今の肌に合っているのかがよく理解できました。根拠のあるご提案は信頼することができ、緊張も和らぎました。知識のない私に丁寧な説明をするとともに手書きのレシピを頂きました。それ以来そのレシピを見るたびにお手入れの楽しさを感じ、肌に悩みを感じたときに思いだすのは***となりました。私は日頃から些細なことでも手書きのメッセージを添えることを大切にしています。それを見返す機会があった時に思い出して前向きな気持ちになってもらえたら嬉しいからです。1人ひとりに真に寄り添ったご提案が形となって***として残る接客ができるポイントが私に合っていると感じました。」
「私は、お客様と商品の間に喜びや感動を生み出すことができる御社の美容部員に魅力を感じ、志望します。私が現在使っている洗顔料は御社の販売員に勧めていただいたものです。その販売員の方から泡の立て方も教わり、きめ細やかな泡が上手に作れたときの嬉しさはとても印象に残っています。母や友人にもその方法を共有したところ、毛穴が綺麗になったととても喜んでくれました。私はその笑顔にとても嬉しくなったことを覚えています。一つの商品がきっかけて、人と人がつながり、笑顔が生まれるきっかけをつくることができる御社の美容部員の仕事は魅力的だと考えます。」
コレクションブランドの志望動機
「私が御社を志望するのは、御社のブランドには女性に「憧れ」を持たせてあげることができるからです。私は女性にとって「憧れ」を持つことはとても大事だと思っています。私は御社の商品でメイクをした日は、私が憧れるハイクラスなイメージに少し近づけたような気がして、いつもよりキレイな自分になっている気持ちになります。また、同時にしぐさ、ふるまい、表情も憧れのイメージに近づこうと努力しています。そうやって、少しずつ憧れに近づこうと努力をすることで女性はどんどんキレイになっていくのだと思います。だから、私は御社の美容部員のように、しぐさ、姿勢、表情、技術、知識などすべてにおいて洗練された、お客様から憧れの対象となるような存在になりたいと思います。」
まとめ
上記の事例集を見ると、志望動機は以下3つのパターンに分けることができます。
②会社の考え方に魅力を感じた
③商品に魅力を感じた
①は、そのブランドの美容部員に丁寧な接客を受けた、真剣に悩みを聴いてくれた、安心感を与えてくれた、納得のいく提案をしてくれたといった体験がきっかけで志望したというストーリーです。
②は、美容部員に対する教育方針や接客のスタンス、ブランドの持つ世界観や女性を引きつける魅力などに共感して志望したというストーリーです。
③は、実際に商品を使用して効果を実感したり、コンプレックスが解消されたなどの体験から、同じように悩んでいる人に届けたいというストーリーです。
あなたの志望動機は、上記①〜③のどれに該当するでしょうか?もし該当するものがあれば、そのパターンの志望動機の事例を参考にして、面接官に刺さる志望動機を考えてみるといいでしょう。
2.具体性(細部)にこだわること